『手塚治虫傑作選』 『平和の探求 手塚治虫の原点』ほか 『傑作選』が出たことへの驚き 本屋に『手塚治虫「戦争漫画」傑作選I』『手塚治虫「戦争漫画」傑作選II』『手塚治虫傑作選「瀕死の地球を救え」』が次々に並び、いささかおどろいている。 なぜ今? と思ったからだ。 漫画評論家の石子順は、近著『平和の探求 手塚治虫の原点』の「あとがきにかえて」のなかで「この〔2007年〕七月、八月には『手塚治虫「戦争漫画」傑作選I・II』(祥伝社・祥伝社新書)が一般教養新書として刊行されました。……戦後六十余年たってようやく手塚治虫の戦争漫画がクローズアップされ、生命を惜しみ、生命を守ることについての主張が強まってきたという感じがします」とこの動きを高く評価している。 むろん、手塚治虫をこういう角度から評価し、その角度で選集が編まれ一般教養新書として大々的に出されることをぼくは歓迎している。 「なぜ今?」とお