最近になって、日本の賃金に関する情報が相次いで発表され話題になっている。例えば「OECD (経済協力開発機構)」が7月11日に発表した「2023年雇用見通し(Employment Outlook 2023)」では、日本の「最低賃金」の伸び率は、OECD加盟国平均の3分の1にしか満たないことが明らかになった。 さらに、厚生労働省が7月7日に発表した、5月分の毎月勤労統計の「現金給与総額」によると、春闘で30年ぶりともいわれる上昇幅を見せたものの、消費者物価上昇率をひいた「実質賃金」の上昇率は前年比「−1.2%」となり、相変わらず賃金は伸びていないことを裏付ける形となった。 日本人の賃金が国際標準並みに高くなるのはいったいいつなのか……。専門家の中にはまだ当面無理、と言う人も多く、人手不足と叫ばれながらも、一向に上がらない賃金が我々の生活を追い詰めている。日本の賃金にまつわる最新事情を考えてみ