前回、人口変動と経済成長の関係を整理してみた。その結論は、1990~2010年平均並みの生産性上昇率(正確には生産年齢一人当たり生産性上昇率)を前提とすると、一人当たりGDPは2010~30年平均で1.0%、2030~50年平均で0.9%増加し、GDP全体は、2010~30年平均0.6%、2030~50年平均で0.3%増加するということであった(3ページ目の表を参照)。こうした計算からどんなことが言えそうなのか考えてみよう。 人口変化だけで日本経済が悲惨な状況になることはない まず、人口変化が経済全体に及ぼす影響については、成長率に少なからぬ影響を及ぼしはするものの、人口面からの変化だけによって、日本経済が悲惨な状況に陥るということはなさそうだ。 第1に、GDPも一人当たりGDP(所得)も増え続ける(ともに実質)。しばしば漠然とした理由で「人口減少で経済が縮んでしまう」と言う人がいるが、そ
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