「差別化したつもり」になっているのは企業だけで、ユーザーから見ると「ほかと何が違うのか」よく分からない。そんなことにならないよう、有効な差別化方法を考え直してみよう。 製品、サービスがコモディティ化するスピードが早い近年、企業はいかに自社製品・サービスを差別化するかに日々、頭を絞っている。しかし、同じような商品・サービスがあふれ返っているいま、差別化を図るのは至難の業だ。加えて、企業がいくら差別化を図ったところで、「ある段階に達すると、もはや愛好家でさえ区別がつかなく」なってしまう。「青をいくつもの言葉で表現できたところで、そこに意味を見いだせる人は少ない」のである。 本書「ビジネスで一番、大切なこと」において、著者は企業が必死に“差別化”を図る姿を「差別化どころか模倣である」と指摘する。しかも悪いことに、「この模倣は『差別化』という専門用語の仮面を被り、マネジャーの頭の中で生き続けている