1979年に『機動戦士ガンダム』で、ロボットアニメの世界にリアリティを取り入れる新しいジャンルを生み出した富野由悠季監督。82歳にして、今なおアニメの最前線で挑み続ける富野監督のクリエイティビティの源はどこにあるのか。東京・杉並のバンダイナムコフィルムワークスの社屋「ホワイトベース」の会議室で富野監督の「THE CHANGE」について聞いた。 【インタビュー第4回/全5回】 ■「人類の革新のハウツーを示すような物語が作れなかった」 「ぼくのキャリアは虫プロの『鉄腕アトム』から始まっているから、昔から“富野さんはアニメ志向なんですよね?”と言われるんだけど、実はアニメ志向だったことは今まで一度もないんです。映画としてアニメを作るということしか考えていなかったんだけど、それも結局きちんとできないまま、今日まで来てしまったという意味で、ぼくには“敗北感”があるんです」 ロボットアニメにリアリティ