19日夕、東京・霞が関の中央合同庁舎4号館。最上階の会議室に、内閣法制局長官経験者らが集まった。 現役幹部を交えて意見交換を行う恒例の「参与会」のためで、この日のテーマは「携帯電話のクーリングオフ」。クーリングオフとは契約書を受け取った日から一定期間は契約を無条件で解除できる制度のことだが、首相の安倍晋三が8月に駐仏大使から抜擢(ばってき)したばかりの長官、小松一郎は目立った発言をしなかった。 「(法律の)技術的な話がほとんどで、小松氏は議論についていけていないようだった」 出席者の一人は、そのときの小松の様子を“上から目線”で振り返った。 内閣法制局は、法務、財務、総務、経済産業の4省から寄せ集めた官僚を中心に組織された内閣の一部局でしかない。それが、わが国の安全保障のあり方や行方を左右している。「法の番人」と呼ばれ、時に首相の政策判断にも逆らってきた。 安倍は、伏魔殿とさえいわれている