静岡県の地銀2番手ながら、全国区の知名度を誇る。その背景には社会の変化を見通す眼力と旺盛なチャレンジ、IT技術の活用があった。オーナーと経営陣が議論を重ねて進める異形の経営の本質。 会議で沈黙は許されない スルガ銀行(静岡県沼津市)の経営方針を決める取締役会は、毎月1回、東京・日本橋にある東京支店の会議室で行われる。 会長、社長以下7名の取締役と3名の社外取締役が出席し、ここに監査役が加わる。毎回15名ほどの出席者で1時間程度、激論が交わされる。 経営トップの指示が言い渡されるだけの静かな会議ではない。幹部が粛々と報告するだけの儀礼的な会議でもない。会議室にあるのは、役員が侃々諤々と議論する喧騒だ。沈黙は許されない。 経営の機微に関わるため、詳細は記せないが、ある日の経営会議では社内システムを将来的に海外の業者に委託するか、その際のガイドラインについて議論が交わされた。 スルガ銀行のオーナ