TOP > 記事 > ドイツ「緑の党」左派を変えたウクライナ視察――元反戦政党はなぜプーチンとの「交渉による解決」を撤回したか(前篇) 連立与党でウクライナへの重火器供与を最も強く求めたのは、軍備増強に反対してきた「緑の党」だ。大転換の背景には、プーチンが「力」や「軍事的な強さ」だけを理解する指導者だと党内左派が強く意識するに至った経緯がある。 今年4月20日、ドイツ連邦議会で緑の党のアントン・ホーフライター議員が演説した。肩まで届く長髪にあごひげをたくわえ、議員らしからぬ風貌。堂々たる体躯のホーフライター氏は、欧州問題担当委員会の委員長を務めている。彼は、「ウクライナ人たちは自国だけではなく、欧州全体も守るために戦っている。我々ドイツ人は、ウクライナに対して戦車など重火器を直接送るべきだ」と主張した。 ホーフライター委員長は「ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、毎日嘘ばかりついている