新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による死者数が東アジアで特異的に少ないのは、ウイルスの感染力や致死率が東アジアでは極端に低いのではなく、東アジアの初期感染者の数が欧米に比べて圧倒的に少なかったためではないか、という仮説を検証する。 国際経済学で2国間の貿易額を予測する「重力方程式」に似たアプローチで、各国が移動制限を行う前の段階で、感染の「中心地」から各国に感染者がどの程度流入したのかを推定すると、その後の各国の死者数の差を非常によく説明できる。 「重力方程式」を組み込むことで、高齢者人口の比率、一人当たり所得、BCG接種の有無など、COVID-19の死者数に影響すると考えられる他の要因のインパクトについてもより適切な推計が可能になる。 2020年1月上旬から中国での感染の拡大が報じられはじめた新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、これまで全世界で800万人を超える感
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