人類の遺伝子をたどると、約20万年前のアフリカの女性にたどり着くといいます。サバンナで生まれた人類(ホモ・サピエンス)の祖先は、約5万年前に故郷を捨ててアジアやヨーロッパ、南北アメリカからオーストラリアまで広がっていきました。 その後、ヨーロッパ北部に移住したヒトは、短い日照時間にあわせて皮膚のメラニン色素を減らし、白い肌に進化しました。アジアに移住したヒトのメラニン色素は、やはり日照時間に応じて、白人と黒人の中間あたりに落ち着きました。このようにして、数万年のあいだに白人、黒人、黄色人種のちがいが生まれたと考えられています。 いうまでもなく、人種差別はこの世界が抱えるもっとも大きな問題のひとつです。つい100年ほど前までは、黒人やインディアン(ネイティブアメリカン)はヒトではなく、殺したり奴隷にしたりしてもかまわないと思われていました。アジアの黄色人種は、黒人から白人へと「進化」する中間