ブラックホールの恐ろしい破壊能力を表すためには、新しい言葉をつくらねばならなかった。その非常に強力な引力の手にかかった物体は、引き伸ばされると同時に引き裂かれ、スパゲティに似た長い紐状の物質と化す恐れがある。このため、ブラックホールは他の天体を食べる前に「スパゲティ化」すると言われる。 カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)とハワイ・ケック天文台の天文学者は、過去数十年間にわたり、天の川銀河の中心にある超大質量ブラックホール「いて座A」(Sgr A)に向かって加速しながら引きちぎられていく奇妙なちりの雲「X7」を観測している。X7はスパゲティ化によって引き伸ばされ、その長さは今や2000億マイル(約3200億km)を超えている。 おそらくX7は今、ひどく絡まりあったパスタの塊のようになっているだろう。X7はSgr Aによって引き伸ばされている一方で、銀河の中心を170年かけて周回する
![ブラックホールによる「スパゲティ化」の破壊力 米天文学チームが観測 | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/50c10cfae409c183b6de3c543b38552714090a81/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fimages.forbesjapan.com%2Fmedia%2Farticle%2F61320%2Fimages%2Fmain_image_5ec694227c3f0ab663a96db0fd3803a8b5058b49.jpg)