毎日新聞が1~2月に全国の大人の発達障害者を対象に実施したアンケートで、回答した4割超が「うつ病を発症している」と明らかにした。厚生労働省によると、大人の発達障害と併存症に関する全国調査はなく、実態は分かっていない。専門家は「特性が理解されないことで、いじめや虐待の被害に遭い、生きにくさが増している」と指摘。当事者からは、対人関係の悩みや周囲の無理解を訴える声が多く寄せられた。 「就職活動の暗黙のルールが理解できず、周囲が濃紺のスーツの中、一人グレーや茶色といった『おかしな色』のスーツを着て面接に挑み、理由も分からないまま内定を得ることができなかった。仕事で明確な主語がない指示を確認しようとしたら『それくらい自分で考えろ』と言われ怒られた。発達障害であることを職場に報告したら事実上の退職勧奨を受けた」(40代男性)