今年の日本進化学会は東大の駒場キャンパスで開かれた.8月に開かれるこの学会は(どこで開かれても)いつも結構暑いのだが,今年は9月下旬並という涼しい気象条件で大変快適である.いつも通り発表者の敬称,及び共同研究者のお名前は原則的に略させていただくこととする. 大会初日 (8月22日 金) 9時ちょうどに駒場に到着,登録手続きを済ませて,早速最初のシンポジウムに参加する.「協力の進化」シンポジウムも面白そうであったが,「ヒトの生活史」の方に参加.オーガナイザーは颯田葉子. シンポジウム「ヒトの生活史」 最初の発表は長谷川眞理子の「ヒトの生活史とヒト固有の性質の進化」 これは大変興味深い内容だった.現在深く考えている仮説の筋道を説明してくれたもので,当然ながら裏付けデータをとるのはこれからだろうと思われるが,非常に面白かった. ヒトとチンパンジーのクリティカルな違いはいろいろあるが,ヒト固有のい