新聞記者、書籍編集者と言葉を扱う仕事を続けてきたせいか、誤脱字はもちろん表記の統一や形容詞などのかかり方、漢字の読み違いなど、言葉に関するさまざまなことが気になります。 特に新聞記者時代はデスクにしごかれました。新聞記事に間違いは許されません。意味を取り違える可能性がほんの少しでもある書き方は徹底的につぶされました。 ものすごく簡単な例を挙げます。 1 日本の美しい風景 2 美しい日本の風景 風景が美しいことを伝えたいのです。1 は美しいのが“風景”であるとすぐに分かりますが、2 は美しいのが“日本”か“風景”のどちらか迷う人がいるはずです。 “美しい日本”という言い方はあまりしませんが、それこそ“神の国”に相通ずるものがあり、保守的思想ととらえて批判する人がいるかもしれません。 「そんな揚げ足取りみたいな」と思われるかもしれませんが、このようなクレームは新聞社で珍しいものではありません。