Blue あなたとわたしの本 226 休日の新京極を歩くのが好きだ。 中国や韓国の人々で溢れ返っている。 東南アジアの人たち。 もちろん日本人も。 若者。家族連れ。修学旅行生。 欧米人のグループ。カップル。老夫婦。 何をしているのかわからない風体の人たちも、けっこう多い。 それぞれが、 てんでバラバラに、 かつ大きな川となって 流れている。 老若男女の川だ。 無国籍の流れ、 喜怒哀楽の水流となって、 うねっている。 極彩色の店々のあいだを、 喧騒の中を、 様々な言語の渦巻く中、 食べ物の匂いの舞う中、 男性の靴音、 女性の靴音、 群集が、 横幅をひろげ、せばめ、 追い抜き、交差し、 混じり合って、 進む。 進んでいる。 南へ、 北へ。 そこへアーケード越しの陽光が、 平等に降りそそぐ。 一人で歩を移す 私のほうなど、 誰も見向きもしない。 ここでは誰とも交渉を持たない。 拘束もされない。
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