アメリカでは認可が始まった「夢の治療薬」、日本では未承認の怪しげな高額療法・・・いったいはどちらが本当か 上昌広(東京大学医科学研究所特任教授) 第1回はこちらをご覧ください。 大手製薬会社が開発競争を始めた 「がんワクチン」は進行がん患者にとって希望の星だ。 外科療法(手術)、化学療法(抗がん剤)、放射線療法の、いわゆる「標準療法」をうけてもなお、体内にがんが残っている患者は、それ以外のがん治療を必死で探す。しかし、この国では、最新のがん療法にアクセスするためには、たまたまかかった病院の医師が親切で先進医療に詳しいという僥倖に出会うか、そうでなければ、家族や周囲の人たちからのクチコミや、インターネットで検索するほか手だてがなく、そういうなかで、偶然ネットでヒットした「ワクチン療法」に頼る人は少なくない。 この国では「ワクチン療法」は水ものなのだ。「悪徳医師が患者を騙してカネ儲けをしている