【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】ついに牛乳も消え始めた?~メンツのために「不足」を認めない愚2024年8月30日一覧へ 生産現場の疲弊を顧みずに、「余っている」と言い続け、減産要請(水田潰せ、牛殺せ)、低価格、赤字の放置、備蓄運用をしない、といった短絡的な政策が、「コメ不足」「バター不足」を顕在化させた。それでも、メンツのために「不足ではない」と言い張り、傷口を広げてしまっている。 特に、今、「コメ不足」が大問題になっているが、ついに、「飲む牛乳も消え始めたのか?」と心配される写真を福岡の知人からいただいた。 今こそ国内の生乳生産を増やし、危機に備えて国民の命を守る体制強化が急務のはずだ。だが、酪農家は、飼料価格も肥料価格も2倍近く、燃料5割高が続いて赤字は膨らんでいる。さらに、国が「余っているから、牛乳を搾るな。牛を殺せ」というのでは、まさに「セルフ兵糧攻め」だ。生産を立て直して