現代の日本の家庭なら大体どこにでもある醤油。江戸の頃までは、なかなか庶民の手には届かなかった物だそうです。 その代わり、江戸時代までは醤油の代用として煎酒と呼ばれる調味料が各家庭で使われていました。煎酒と言うだけあって酒を使って作ります。代用品だった物ですが、これが凄くうまいのです。 (馬場 吉成) 家で簡単に作れます 煎酒の歴史は古く、室町時代から使われていたそうです。室町時代の「鈴鹿家記」という書物の中に「鯉の指身(さしみ)に山葵の煎酒」という記述があります。 作り方に関しては、例えば江戸時代の代表的な料理書である「料理物語」には、「煎酒は鰹一升に梅十五入り。古酒二升水ちとたまり少々入。一升に煎じこしさましてよし。」と書かれています。 要するに、日本酒に梅干しや鰹節を入れてゆっくりと煮立て、塩などで味を調整したら冷まして漉せば出来上がり。至って簡単。