チリは今年1月、経済協力開発機構(OECD)に加盟した。「先進国クラブ」と皮肉られる機構に「入会」が認められた南米初の国だ。整備された町並み、信頼できる警察官、効率的な官僚たち。何より経済に勢いがある。90年の民政復帰から20年。民主主義の定着でやっと得た加盟資格だ。 その中南米の先進国で大地震が起きた。中南米最貧国のハイチを襲った大地震から1カ月半。両国とも80年代まで過酷な独裁政治を経験したが、経済レベルと政治の安定度では対照的だ。 しかし、チリの被災地でもハイチと同じように略奪が相次いでいる。輝かしい「先進国」の看板に泥を塗られた格好だ。だが、誰もが略奪にかかわっているわけではない。多くの被災者が「愚かなこと」と批判を口にする。 被災者たちは「よく来てくれた」と現場で私を案内してくれる。津波で家を失ったおじさんは「チリと日本は地震国でいとこ同士だ」と握手を求めてきた。こんな人たちに出
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