訓練用・中央制御室。電源喪失を想定したはずにもかかわらず、すぐに非常用電灯が点いた(11日、柏崎刈羽原子力発電所。写真:筆者撮影) “福島原発で起きた過酷事故を想定した訓練”――そう信じて東京からノコノコ出かけて行った筆者が愚かだった。 前項でも少し触れたが、訓練用中央制御室ではすぐに非常用電源に切り替わり電灯が点いた。福島の事故は非常用電源も落ちたのである。筆者が報道担当者にそれを指摘しても、彼は何食わぬ顔だ。 福島の教訓を活かそうという緊張感などかけらもなかった。訓練のメインイベントは電源車が出動する電力供給だった。 東電社員たちが指差呼称で確認しながら電源車から延びるコンセントを原子炉建屋のプラグに差し込む。一見キビキビした動作だ。報道陣のカメラが群がった。 全電源喪失は確かに過酷事故だ。だがワンノブ・ゼムに過ぎない。燃料棒がむき出しになることもある。チェルノブイリ事故のように制御不
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