パニック障害のパニックと広汎性発達障害のパニックは、便宜的に同じ「パニック」という用語が汎用されているが、この2つは異なる精神所見のように思われる。 広汎性発達障害の人のパニックはいわゆる「緊張病症候群」の近縁に存在している。あるいは、広くとれば「緊張病症候群」そのものかもしれない。 緊張病症候群には「昏迷」と「興奮」があり、これらはコインの表裏の関係になっている(参考)。古典的には緊張病症候群を呈する疾患群は3つあると言われていた。 緊張病症候群を呈する疾患 ①統合失調症 ②躁うつ病 ③ヒステリー このうち、このブログ的にはヒステリーは器質性疾患と記載しており、③は器質性疾患による緊張病症候群の1つと考えられる。実際、脳炎後遺症や脳腫瘍などでヒステリーを生じることがあるし、身体疾患に由来する症状精神病も同様である。③の「ヒステリー」はこれらを象徴した疾患と考えると辻褄が合う。 このような