途上国の発展を妨げる問題の一つに物流がある。農産物を作っても市場に安く運ぶ手段がないのだ。東南アジアにある東ティモールも深刻な問題を抱えているが、その物流の問題をスマートフォンと専用アプリで解決しようと取り組んでいる日本人がいる。 アプリを開発したボランティアグループ「tranSMS(トランスムース)」の代表で、『「ゴミ」を知れば経済がわかる』の著書がある作家の瀬戸義章さん(29)。物流業界で5年間勤務した経験があり、東ティモールの青年海外協力隊員から「物流問題が深刻だ」と聞き、何かできないかと考えた解決策がスマートフォンアプリだ。 青年海外協力隊は、東ティモールでコメなど農作物の生産向上に努めてきた。しかし、作った農産物を市場に売らなければ現金収入は得られない。 田んぼのある村から市場にコメを運ぶには、運搬トラック1台を3万5千円でチャーターしなければならない。国民の平均月収は約5千円。