愛をテーマにした米紙「ニューヨーク・タイムズ」の人気コラム「モダン・ラブ」。読者が寄稿した物語を、毎週日曜日にお届けします。 男はこうあるべき、女はこうあるべきと性別によって暗黙のうちに決められた役割「ジェンダーロール(性役割分担)」を守ることを当然とする風潮は、徐々に失われつつある。 筆者の女性は家庭を支えられるだけの稼ぎを持ち、社会で活躍してきた。そんな自分なら「男が女をリードして守るべき」と考える男性と付き合うことなどありえないと思っていたのに、心の内にあった密かな願望に気づき──。 新しい彼氏とシーツに半分くるまって、一緒に眠っていた。午後の日差しが足を温めていた。私たちは付き合って一ヵ月経つ。 「大の男なんだから俺が金の管理をしないと」と彼は言う。 「そうね」。不安で動揺しながら答えた。そして金融コンサル会社のパートナーである私はこう思った──お金の管理なら毎日してるんだけどね。
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