(2010年4月17/18日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 1990年代に米国が貯蓄貸付組合(S&L)危機の余波に苦しんでいた頃、バブル期に犯した軽微な不正行為の罪で、何百人もの銀行関係者が罰金を科されたり、投獄されたりした。 だが、それから15年経った今、国際金融システムの大部分が再び金融崩壊の余波に揺らいでいるというのに、その責任を負う人々に懲罰らしい懲罰が科されていないという事実は注目に値する。 S&L危機と比べて圧倒的に少ない懲罰 何しろ、サブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅融資)問題が生んだ損失はS&L危機より大きかったにもかかわらず、今のところ、罪に問われた金融関係者はほとんどいない。米国や欧州の一般有権者がこれほど怒っているのも無理はない。大部分の人の目には、サブプライム問題の顛末は、刑罰や正義が下されない巨大な「犯罪」のように映る。 しかし今、こうした状況が変わ