所得が低かったり、非正規労働者だったりする人は、そうでない人より健康を害しやすい。いわゆる「健康格差」の問題が指摘されている。 これを裏付けるデータの報告は相次いでいる。全日本民主医療機関連合会(民医連)が、生活習慣が原因といわれる「2型糖尿病」について2011~12年に40歳以下の782人を調査したところ、年収200万円未満が6割近くを占めた。バランスのいい食事を取ることが少ないためとみられる。 また、低所得層は高所得層に比べ、うつ状態の割合が5倍に上るという調査もある。経済的・社会的なストレスを抱えると心身の健康がむしばまれやすいとされる。 経済的・社会的要因が健康状態まで左右する深刻な実態に、政府や自治体はもっと目を向けるべきだ。 世界保健機関(WHO)は09年、加盟国に対し、健康格差是正に向けた取り組みを推進するよう勧告した。厚生労働省も12年、生活習慣病などを予防する13~22年