ブックマーク / synodos.jp (294)

  • 軽減税率は貧困対策に効果的なのか? / 飯田泰之×荻上チキ | SYNODOS -シノドス-

    2017年4月の消費税増税に向け、自民・公明党が協議を続ける「軽減税率」。生活必需品などの一部の消費税を8%に据え置き、国民の負担を軽減しようとする狙いがある。ヨーロッパなどの諸外国でも広く採用されており、新聞等のメディアの関心も高い。しかし、以前から公明党が主張してきた低所得者対策としての実質的な効果は期待できるのだろうか。軽減税率導入に伴う課題を踏まえ、これからの格差是正にはどんな取り組みが効果的なのか、明治大学政治経済学部准教授の飯田泰之氏が解説する。2015年9月30日放送TBSラジオ荻上チキ・Session-22「『軽減税率』は当に低所得層の負担を軽減するのか」より抄録。(構成/大谷佳名) ■ 荻上チキ・Session22とは TBSラジオほか各局で平日22時〜生放送の番組。様々な形でのリスナーの皆さんとコラボレーションしながら、ポジティブな提案につなげる「ポジ出し」の精神を大

    軽減税率は貧困対策に効果的なのか? / 飯田泰之×荻上チキ | SYNODOS -シノドス-
  • ロヒンギャ問題はなぜ解決が難しいのか/根本敬 - SYNODOS

    国際社会は現在、日も含め、ヨーロッパに流入するシリア難民の問題に関心を向けている。しかし、難民はシリアだけの問題ではない。年(2015年)5月には東南アジアの海域で生じたロヒンギャ難民のボート・ピープルに注目が集まった。この問題は忘れ去られつつあるが、全く解決されていない。なぜ、解決が難しいのだろうか。 (1)難民としてのロヒンギャ ロヒンギャとは、ビルマ(ミャンマー連邦共和国)のラカイン州北西部に住むイスラム系少数民族のことである。ラカイン州はビルマ西岸部に位置し、その北西部はナーフ河をはさんで隣国バングラデシュと国境を接している。 ロヒンギャは1970年代末と90年代初めの2回にわたり、バングラデシュへ20万人規模の難民となって大量に流出し、そのことで国際的に知られるようになった。バングラデシュ最南部のテクナフからコックスバザール周辺には、現在もロヒンギャの難民キャンプが複数残って

    ロヒンギャ問題はなぜ解決が難しいのか/根本敬 - SYNODOS
  • 「物語」は自分と外部とのせめぎあいで生まれる/『呪文』作者、星野智幸氏インタビュー(聞き手、荒井裕樹) - SYNODOS

    「物語」は自分と外部とのせめぎあいで生まれる 『呪文』作者、星野智幸氏インタビュー(聞き手、荒井裕樹) 情報 #新刊インタビュー#『呪文』 寂れゆく商店街を舞台にした星野智幸氏の最新作『呪文』が上梓された。小説にとって「物語」とはなにか?「物語」ってそもそも限界じゃないの? 「物語」を切り口に、荒井裕樹氏(障害者文化論)が『呪文』の魅力に迫る。(構成/山菜々子) 【『呪文』 内容紹介】 それは、希望という名の恐怖――寂れゆく松保商店街に現れた若きリーダー図領。人々は彼の言葉に熱狂し、街は活気を帯びる。希望に満ちた未来に誰もが喜ばずにはいられなかったが……。 荒井 ずっと星野智幸さんにお会いしたいと思っていたのですが、新著『呪文』(河出書房新社)を読ませていただいて、「やっぱり会わなきゃだめだ!」という、一方的な使命感が芽生えました(笑)。 以前から星野さんの作品を追いかけていたんですけど

    「物語」は自分と外部とのせめぎあいで生まれる/『呪文』作者、星野智幸氏インタビュー(聞き手、荒井裕樹) - SYNODOS
  • 五輪エンブレム問題――「パクリ」批判は正しいのか?/田中辰雄 - SYNODOS

    エンブレム問題は佐野氏のエンブレムの取り下げをもって決着し、事態は収拾に向かっている。この事件はネット上の世論が現実世界を動かした点に特徴がある。しかし、著作権侵害あるいはパクリ・盗用についてのネット上の世論をそのまま世論として受け入れることには問題がある。稿は著作権侵害についての簡単な解説を行い、この問題点を指摘する事を目的とする。 著作権侵害のハードルは高い まず佐野氏のエンブレムは他作品の著作権を侵害しているのだろうか。これについて、多くの著作権専門家は著作権侵害には当たらないだろうとしている。(注)法律の専門家の説明は専門外の人にはわかりにくいところがあるので、法学者ではない強みあるいは弱みを生かして、以下私なりの解説を述べてみよう。正確さには欠けるが、できるだけわかりやすい説明を試みてみる。エンブレムが著作権侵害にならない直接の理由は、どれくらい似ていれば侵害になるのかのハード

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  • 保護者の所得は学力にどれほど影響があるのか?/山田哲也 - SYNODOS

    文部科学省が実施した保護者調査のインパクト 専門家会議による議論を受けて、2013年度の全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)では、毎年実施される体調査とあわせて、多様な観点から学力に影響を与える要因を分析する「きめ細かい調査」が実施された。 この調査は、(1)経年変化分析調査、(2)保護者に対する調査、(3)教育委員会に対する調査から構成されている。なかでも人びとの注目を集めたのは保護者を対象にした質問紙調査で、そこで得られたデータを用いた調査報告書が2014年・2015年に公開されている(リンク先は容量の大きいPDFなのでご注意ください)。 なぜこの調査結果が着目されたのか。やや遠回りになるが、その背景を整理してみよう。 90年代後半にいわゆる「学力低下」論が社会問題化し、2000年代以降には日でも保護者の社会経済的地位(SocioEconomic Status:SES)を把握し

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  • 「自己責任だ」と説教しても、貧困問題は解決しない/大西連×柏木ハルコ『すぐそばにある「貧困」』刊行記念対談 - SYNODOS

    「自己責任だ」と説教しても、貧困問題は解決しない 大西連×柏木ハルコ『すぐそばにある「貧困」』刊行記念対談 社会 #ホームレス#すぐそばにある「貧困」 20代にしてNPO法人「もやい」理事長になった大西連氏の初の単著『すぐそばにある「貧困」』が上梓された。生活困窮者支援の現場をありのまま描くノンフィクションだ。今回は、刊行を記念して『健康で文化的な最低限度の生活』(小学館)作者である柏木ハルコ氏と対談を行った。(構成/山菜々子) 大西 今回は、ぼくのはじめての『すぐそばにある「貧困」』の記念対談ということで、漫画家・柏木ハルコさんとお話していきます。 柏木 よろしくお願します! 大西 柏木さんは、生活保護に向き合う新米ケースワーカーを描いた『健康で文化的な最低限度の生活』をお描きになられていますが、実はもやいにも取材にいらっしゃったんです。とにかくすごい取材量で、今や生活相談手帳まで読

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  • 猪口邦子議員からいきなり本が送られてきた――「歴史戦」と自民党の「対外発信」 山口智美 / 文化人類学・日本研究 - SYNODOS

    猪口邦子議員から届いたパッケージ 10月1日、アメリカのモンタナ州に住む私の勤務先大学の住所宛に、自民党の猪口邦子参議院議員からのパッケージが届いた。私は猪口議員と面識はない。封筒には、送付元として猪口議員の名前と肩書きが書かれ、気付としてフジサンケイ・コミュニケーションズ・インターナショナルの住所が記載されていた。 封を開けてみると書籍が2冊とネット記事のコピーが3部、猪口議員がサインしているカバーレターが入っていた。 同封されていた書籍のうちの一冊は、Sonfa Oh, Getting Over It? Why Korea Needs to Stop Bashing Japan (Tachibana Shuppan 2015) 。呉善花『なぜ「反日韓国に未来はない」のか』(小学館新書 2013)の大谷一朗氏による英訳版だ。英訳版の版元はたちばな出版となっている。 もう一冊は、The S

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  • 中国、高速鉄道プロジェクトを落札――インドネシア国営企業相のコメント / SYNODOSが選ぶ「日本語で読む世界のメディア」(東京外国語大学) | SYNODOS -シノドス-

    2015.10.14 Wed 中国、高速鉄道プロジェクトを落札――インドネシア国営企業相のコメント SYNODOSが選ぶ「日語で読む世界のメディア」(東京外国語大学) ジャカルタ-バンドン間の高速鉄道プロジェクトは、最終的に中国の手に落ちた。このことは、ジョコ・ウィドド大統領が高速鉄道プロジェクトを国営企業省に任せ、国家予算の使用や政府の債務保証のない企業間取引(B to B)によって取り組まれるべきだと述べて以降、多くのサイドによって予測されていた。 この高速鉄道プロジェクトに関心を寄せていた二国である日中国のうち、条件に最も近づくことができたのは「竹のカーテンの国」中国の提案だった。リニ・スマルノ国営企業相もそのように述べている。 「高速鉄道に関してはすべて明確であるように行ってきた。実際に政府の決定は非常に明確であるように感じるが。受け取った二つの提案を見るに、条件を満たすのは

  • なぜシリア難民はヨーロッパを目指すのか――中東の「プッシュ要因」から探る / 立山良司 / 現代中東政治 | SYNODOS -シノドス-

    「この1,2カ月で、シリア難民が急にヨーロッパのことを口にし始めた。多くの難民が何としてでもヨーロッパ諸国に行こうとしている」 9月中旬にヨルダン北部にあるザアタリ難民キャンプで会った国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の担当者は、シリア難民が置かれた厳しい現実をこのように話していた。 9月だけでドイツに着いた難民は20万人を超えたと推定されている。国際移住機関(IOM)によると、ヨーロッパに流入する難民の数は月を追うごとに増えており、今年初めから10月初めまでで56万人を数えている。その半数以上がシリアからの難民だ。 日での報道はめっきり下火になったが、彼らは今も決して整備されているとはいえないルートを利用しながら、死に物狂いで地中海を渡り北上を続けている。 彼らのほとんどはシリア国内の武力対立が「内戦」と呼ばれるようになった2012年半ばごろから、周辺の中東諸国に難民となって流出し

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  • もやいの活動から見た「女性の貧困」/大西連 - SYNODOS

    近年、「女性の貧困」という言葉をさまざまな文脈で耳にすることが多くなった。2014年1月27日に放送されたNHKクローズアップ現代「明日が見えない~深刻化する“若年女性”の貧困~」という番組では、性風俗で働く貧困状態の女性にスポットライトをあて、託児所と連携した風俗店の存在など、性産業が公的なセーフティネットよりも、結果的に彼女たちを支えている現実を描き、社会的なインパクトを与えた。 実際に、それ以降、筆者が理事長を務める認定NPO法人自立生活サポートセンター・もやい(以下、もやいと略す)にも、メディア等から「女性の貧困」の実態について、さまざまな取材依頼等が寄せられた。 もやいでは、面談、電話、メール等で、年間に約3000人の相談を受けている。そのうち、女性からの相談は2割弱なので、1年間に大体600人ほどの「貧困女性」の声を聴いていると言えよう。 しかし、彼女らの悩み、生活のつらさ、抱

    もやいの活動から見た「女性の貧困」/大西連 - SYNODOS
    yoyoprofane
    yoyoprofane 2015/10/08
    "女性はまず同じく父親の扶養、結婚して夫の扶養、夫が死んだら年金か子どもの扶養に入る。日本では残念ながらこのモデルに従って、さまざまな制度を作ってしまったと言えるだろう。"
  • 自然水系へのEM投入から「環境教育」を考える/片瀬久美子 - SYNODOS

    「環境教育」は、自然環境保護の大切さを教えるのが目的の1つです。しかし、環境を保護したり、環境悪化を解決したりする方策として、残念ながら迷走した活動がその中で行われてしまうことがあります。 来、自然環境はそこに生息する様々な生物による複雑で絶妙なバランスによって保たれています。例えば、河川の水に含まれる有機物などの栄養分(生物の死骸も含む)をべる微生物がいて、その微生物をべるプランクトンなどがいて、それをべる昆虫や魚などがいて…といった形の物連鎖が形成されています。 そのバランスが保たれていれば水中の酸素量や栄養成分量などは一定の範囲の変動に保たれ、多少の環境変化にも水質は安定していられます。しかし、一度大きく崩れてしまうと、簡単には回復できなくなってしまうのです。 また、外来生物の流入により、在来生物の生息が脅かされて減少・絶滅することで、生物全体としての多様性が失われてしまう

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  • 象牙密猟は生息地でどう受けとめられているか?――二重に苦しめられるタンザニアの地域住民/岩井雪乃 - SYNODOS

    象牙密猟は生息地でどう受けとめられているか?――二重に苦しめられるタンザニアの地域住民 岩井雪乃 環境社会学 国際 #等身大のアフリカ/最前線のアフリカ#象牙密猟#アフリカゾウ シリーズ「等身大のアフリカ/最前線のアフリカ」では、マスメディアが伝えてこなかったアフリカ、とくに等身大の日常生活や最前線の現地情報を気鋭の研究者、 熟練のフィールドワーカーがお伝えします。今月は「等身大のアフリカ」(協力:NPO法人アフリック・アフリカ)です。 象牙は、装飾品や印章として、古今東西を問わず人類を魅了してきた素材である。残念ながら現代でもそれは続いており、一時期は沈静化していた象牙目的の密猟が、近年、再び増加している。しかし、その一方で、アフリカゾウの生息地では、これまでの保護政策によってゾウと住民の共存が困難になっている地域も多い。ゾウが害獣化して農作物を荒らし、ときには人を襲っているのだ。 ゾウ

    象牙密猟は生息地でどう受けとめられているか?――二重に苦しめられるタンザニアの地域住民/岩井雪乃 - SYNODOS
  • コロンビア農民の生存戦略――コカ栽培が人々の生活にもたらしたもの/千代勇一 - SYNODOS

    コロンビアはハリウッド映画のお得意様である。 「デルタフォース2[*1]」、「トリプルX[*2]」、「コラテラル・ダメージ[*3]」、「今そこにある危機[*4]」にはコロンビアのシーンが登場する。それぞれチャック・ノリス、ヴィン・ディーゼル、アーノルド・シュワルツェネッガー、ハリソン・フォードといった蒼々たるアクションスターがコロンビアの麻薬コカインの生産施設で大暴れするのである。 もちろんフィクションの娯楽映画ではあるが、その背景には世界最大のコカイン消費国の米国がその最大の生産国であるコロンビアで展開してきた麻薬戦争がある。 麻薬戦争という言葉は1968年に米国のニクソン大統領が演説で初めて使ったのだが、このときには国内で深刻になっていたマリファナ消費への対策を意図していた(Crandall 2008: 22)。その後、コカインの消費が増加したことにより、“戦争”の舞台はコカインの生産

    コロンビア農民の生存戦略――コカ栽培が人々の生活にもたらしたもの/千代勇一 - SYNODOS
  • 爆音のもとで暮らす──沖縄・普天間における「選択」と「責任」/岸政彦 - SYNODOS

    Wさんは42歳の女性、コザ(沖縄市)生まれ。職業は教員。夫は46歳で、同じく教員をしている。2歳の娘と、2匹のがいる。聞き取りは2015年8月9日。 ──いまのお住まいはどのへんですか 宜野湾市のA地区というところなんですけど。ちょうど何ていうのかな、普天間飛行場の滑走路の近くですね。ちょうど飛行機が入ってくるところあたりです。 ──けっこう爆音が。 はい、あります。すごいある。ずっとひっきりなしという感じではなくて、ジェット機の訓練の日とオスプレイもそこに混ざる日と、風向きでだいぶ違うんだなって、住むようになってわかったんですけど。その日によってだいぶ、騒音のひどい時刻は違ってる。 ただかなり、かなり、何だろ。もう天気がいいと、ともかく(騒音がひどくて)ダメですね。ジェット機も飛ぶし、オスプレイも飛ぶし。朝早く飛んで、深夜に還ってくる、(夜の)10時こえてから戻ってくる飛行機がかなりあ

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  • 急転するトルコの政治情勢――11月に今年2度目の総選挙へ/柿﨑正樹 - SYNODOS

    6月にトルコでは国会の任期満了に伴う総選挙が実施された。2002年からおよそ13年間単独政権を維持していた与党・公正発展党(AKP)はそれまでの経済実績をアピールしたが、初めて国会で過半数を失った。その後の与野党間の連立政権樹立に向けた協議は失敗に終わり、エルドアン大統領は8月24日、ついに再選挙を行うことを決定した。トルコの有権者は11月1日に今年2度目の総選挙に臨むこととなる。 エルドアン大統領は、6月選挙で過半数を割り込んだ出身母体のAKPが、11月選挙では勢力を回復することを期待している。しかし稿執筆時点で与党の支持率は戻っておらず、再選挙が政局打開につながる見込みは薄い。11月以降も政治的空白が続く恐れがある。 首都アンカラで連立協議が続く中、トルコ南東部では情勢が急速に悪化した。クルド人武装組織「クルディスタン労働者党」(PKK)は7月上旬にトルコ政府との停戦を破棄しトルコ軍

    急転するトルコの政治情勢――11月に今年2度目の総選挙へ/柿﨑正樹 - SYNODOS
  • 「妊娠しやすさ」グラフはいかにして高校保健・副教材になったのか/高橋さきの - SYNODOS

    高等学校向けの保健体育副教材「健康な生活を送るために」(改訂版)(以下「副教材」と称する)は、はなばなしく登場した教材だった。 2015年3月に閣議決定された「少子化社会対策大綱」では、「学校教育段階において、妊娠・出産等に関する医学的・科学的に正しい知識を適切な教材に盛り込む」ことがうたわれる。「妊娠・出産に関する医学的・科学的に正しい知識」についての理解の割合が、先進諸国の割合が約64%であるのに、現状(2009年)の日では34%しかないというのである。 そこで、「認可保育園の定員拡大」や「ひとり親家庭への支援」などと並び、「妊娠・出産に関する医学的・科学的に正しい知識」を2020年までに70%に上げることが数値目標として掲げられた。 その「医学的・科学的に正しい知識」を盛り込んだのが、今回の副教材だったわけだ。 8月21日の会見で有村少子化相から、「この啓発教材は、8月下旬以降に全

    「妊娠しやすさ」グラフはいかにして高校保健・副教材になったのか/高橋さきの - SYNODOS
  • インドネシア大虐殺はなぜ起こったのか/倉沢愛子 - SYNODOS

    昨年、「アクト・オブ・キリング」という、世界各国で様々な賞を受賞した異色のドキュメンタリー映画が日でも上映され、センセーションを起こした。 それは50年前にインドネシアで起こった共産党関係者の大虐殺の際に、殺害に手を染めた人々が誇らしげにその時の状況を再現して見せるというもので、その設定の奇抜さが評判を呼び、また人を殺すという行為にまつわる心理を描いたものとして関心を集めたのであるが、同時に歴史を振り返る機会も与えてくれた。 映画を見た多くの人が「あんな事件当にあったとはまったく知らなかった」と語った。わずか50年前の、しかもインドネシアという比較的近い国において、である。 毎年何十万人もの日人が訪れているバリ島(バリもれっきとしたインドネシアのひとつの州である)でも起こっていたのだというと人々はもっと驚く。そしてインドネシア史を専門としているこの私は、人々が知らないというそのこと

    インドネシア大虐殺はなぜ起こったのか/倉沢愛子 - SYNODOS
  • ロシアのシリア難民たち――ロシアは中継地か、最終移住先か / SYNODOSが選ぶ「ロシアNOW」 | SYNODOS -シノドス-

    2015.09.12 Sat ロシアのシリア難民たち――ロシアは中継地か、最終移住先か SYNODOSが選ぶ「ロシアNOW」 最新データによると、ロシアには約1万2000人のシリア人がいる。ヨーロッパでは難民が駅に殺到したり、公園や道端で野宿したりしているが、ロシアではそのような光景は見られない。ここはヨーロッパを目指す難民の最後の中継地となる。シリア難民の状況はどうなっているのだろうか。ロシアNOWが特集する。 150人以上のシリア難民が、ロシアを経由してノルウェーに入国したと、ロシアの経済紙「ヴェドモスチ」がアメリカの経済紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」の情報として伝えている。ヨーロッパでは今年初めから約50万人が難民申請をしていることを考えれば、ごく一部の話にすぎない。ロシアはシリア人にとって通過地点であると、専門家は言っているが、それでもロシアに来る人は、難民として来る人と同

  • 子どもの「食育」は、誰のために行われているのか/成田崇信 - SYNODOS

    平成17年に『育基法』が施行され、国民の心身の健康を支援するために「育運動」が推進されることになった。子どもの頃からの習慣が重要であるとされ、保育所や学校、家庭を中心に育を進めるというものだ。 特に義務教育では、育推進の中核的な役割を行う職種である栄養教諭という新たな資格が創設され、栄養士・管理栄養士が直接子どもに対して育授業(担任との連携が必要)やアレルギーを持つ児童・生徒に対する事指導などを行えるようになった。 しかし、現実に行われている子どもの育の内容を見ると、全国的に統一されておらず、まったく根拠のない情報や、特定の主義主張に偏った情報が紛れ込んでいる。 このように「育」が迷走してしまったのは、なぜだろうか? まずは、育基法の条文を見てみよう。 前文では、育により身に付けるべき能力として『「」に関して信頼できる情報に基づく適切な判断を行う能力』を挙げ、家

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  • 溺死シリア難民幼児、祖父の慟哭 / SYNODOSが選ぶ「日本語で読む世界のメディア」(東京外国語大学) | SYNODOS -シノドス-

    2015.09.09 Wed 溺死シリア難民幼児、祖父の慟哭 SYNODOSが選ぶ「日語で読む世界のメディア」(東京外国語大学) ボドルムの海岸にその亡骸が打ち上げられたアイラン・クルディちゃんとガリプ・クルディちゃんの祖父、シェホ・シェン・クルディさんは、「海岸に打ち上げられた孫たちの亡骸を見て、私の心は砕けてしまった」と語った。 ボドルムの海岸にその亡骸が打ち上げられたアイラン・クルディちゃんとガリプ・クルディちゃんの祖父、シェホ・シェン・クルディさんは、「起こったことや孫たちの死に、もはや何を言っても及ばない。私は強く主張したのだ。行くな、コバーニに戻ってこいと。だが、聞き届けられなかった。娘婿のアブドゥッラーは絶対にドイツへ行くと言っていた。海岸に打ち上げられた孫たちの亡骸を見て、私の心は砕けてしまった」と語った。 2014年にIS(イスラム国)がコバーニを攻撃した際、娘一家がト