ブックマーク / bookplus.nikkei.com (9)

  • 金田章裕『道と日本史』 全国で発掘されている古代ハイウエー

    律令国家が建設した直線官道、いわば古代版ハイウエーが全国各地で発掘されています。畿内には東西・南北方向の直線道が多く、東山道、東海道、山陽道など七道諸国の道は地形に沿って、折れ線上に連なる道の遺構が見つかっています。「道」を切り口に日歴史を読み解く『道と日史』(金田章裕著/日経プレミアシリーズ)より、さわりを紹介します。 7世紀の記録にある「大道」 『日書紀』推古天皇21年(613)11月条に「難波より京に至るまで大道を置く」と記されている。推古天皇の時期、大規模な道路建設を実施したとの推定にかかわる最初の記事である。 難波よりの「大道」が具体的にどこなのかはこの表現からは不明であるが、この時点の宮とは大和(当時は「大倭」)の小墾田(おはりだ)宮であったから、難波から大和へ至る道と考えられる。 具体的には、孝徳・斉明天皇(645~661)時の難波宮(なにわのみや)跡から真っすぐ南へ

    金田章裕『道と日本史』 全国で発掘されている古代ハイウエー
  • 今井むつみ 「説明しても伝わらない」のは「9歳の壁」と同じ

    何度言っても期日通りに書類を出さない部下、報告したのに聞いていないぞという上司……。そんな“伝わらない”悩みに、「何度も繰り返して言う」、「リマインドメールを出す」では解決しません。コミュニケーションの質と解決策について、認知科学の視点からひもといた、『 「何回説明しても伝わらない」はなぜ起こるのか? 』の著者、今井むつみさんに聞きました。 テクニックを講じても解決にはつながらない 認知科学や言語心理学が専門である今井さんが書いた、コミュニケーションのが売れています。なぜだと、分析されていますか? こう書けば売れるだろうとか、考えたことがないからかもしれないです。ずっとアカデミアの世界にいて、ビジネスとは遠いところにいます。ただ、認知科学の分野で、子どもの言語発達の基礎研究をしているので、子どもの心についてはいつも考えています。 私が今一番力を入れて取り組んでいるのが、小学生・中学生の

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  • 日本は「デジタル小作人」 GAFAMの利用が円安要因に

    円安はなぜ長引いているのか。どこから外貨が流出しているのか。観光という「労働集約的な産業」で稼いだ外貨が、「資集約的な産業」である海外の頭脳労働への支払いに充てられており、その帳尻は為替(端的には円安)に影響を及ぼすのではないか。『弱い円の正体 仮面の黒字国・日』(唐鎌大輔著/日経プレミアシリーズ)から抜粋・再構成してお届けする。 「国内の肉体労働」vs「海外の頭脳労働」 クラウドサービスやインターネット広告などに代表されるデジタルサービスの提供は、多くの日人が漠然と「海外(とりわけ米国)に後れを取っている」と感じていた分野ではないかと察する。その漠然としたイメージを数字で可視化したのがその他サービス収支赤字、すなわち「新時代の赤字」であり、日銀行の分類でいえばデジタル関連収支ということになる。 こうして見ると、その他サービス収支赤字は為替需給という論点を超えて、日経済が現在直面

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  • 小川哲「今のSNSは主張なき人々の極論がインフレする魔境状態」

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  • 羽田圭介「ミニマリストの流行は人生を手早く変えたい欲求の表れ」

    ──著書『 滅私 』はミニマリストの男を主人公としています。所持品をできる限り減らし、最低限の物だけで暮らす「ミニマリスト」。日でこの言葉やスタイルが広まりだしたのは2015年ごろだといわれますが、根強いブームがまだ続いています。小説に取り入れようと思った、着想のきっかけを教えてください。 ミニマリストたちの極端な生活スタイルそのものよりも、メディアやSNSで彼ら彼女らが発している言葉に違和感を覚えたのがきっかけです。「人生を最大化する」「物より経験」など、みな一様に、コピーしたように単語レベルで同じフレーズを多用していました。どこかで見聞きした他人の言葉を、咀嚼(そしゃく)しないでそのまま自分の言葉として発信している。 僕自身も片付け好きではあり、来客には「物が少ないですね」と言われますが、見えるところに置いていないだけで所持品自体は多い。引っ越しでも「単身パック」では足りずに、2トン

    羽田圭介「ミニマリストの流行は人生を手早く変えたい欲求の表れ」
  • 少子化問題 対策を後押しする何よりも重要なこと

    2022年の出生数は80万人を割る見込みで、少子化が止まりません。そもそも少子化質的な問題は何なのでしょうか。少子化に有効な対策とは? 少子化や人口減少の問題に詳しい日総合研究所 調査部上席主任研究員の藤波匠さんが、様々な調査データを基に解き明かしていきます。藤波さんと30代の女性、20代の男性による架空鼎談形式で、結婚・出産適齢期の人々の実感や考え方を踏まえながら、分かりやすく説明します。最終回。 第1回 「止まらぬ少子化 出生数7年で20%超減少、80万人割れの衝撃」 第2回 「少子化 非婚・晩婚だけではない出生数激減もう1つの理由」 ※記事をもとにした書籍『 なぜ少子化は止められないのか 』(日経プレミアシリーズ)を2023年5月に刊行予定です。 某大学大学院、社会政策論の授業後の教室。教室に残った非常勤講師に、学生2人が少子化に関して質問をしている。非常勤講師は、日総合研

    少子化問題 対策を後押しする何よりも重要なこと
  • 八重洲ブックセンター本店、44年の歴史に幕 著名作家の思い出

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  • メルケルの16年で生じた大陸欧州3つの亀裂

    2021年12月、ドイツを16年間率いたメルケル首相が引退した。功罪あれどもメルケル首相が「EUの象徴」であったことに疑いの余地はない。我々は彼女の16年をどう評価し、また未来をどう展望すべきなのか。EU部勤務経験があり、関連著書を多数持つ唐鎌大輔氏の新著 『アフター・メルケル 「最強」の次にあるもの』 (日経済新聞出版)から一部を抜粋、再編集して解説する。連載第1回では、メルケル政権の16年間で欧州大陸にはドイツを中心に「縦」「横」「斜め」の3つの亀裂が生じたことを紹介する。アフター・メルケル時代の為政者はこれを修復していくことができるのか。 16年で生じた「縦」「横」「斜め」、3つの亀裂 2021年12月、ドイツ、いやEUを16年間率いたメルケル首相が正式に引退した。メルケル首相にとって最後となる2021年10月22日のEU首脳会議でフォンデアライエン欧州委員長は「メルケルなきEU

    メルケルの16年で生じた大陸欧州3つの亀裂
  • 小泉悠 戦争のできない21世紀にロシアが始めた「古い」戦争

    「21世紀にはもう格的な戦争は起きないと思われていたのに、ロシア戦争を始めてしまいました」。東京大学先端科学技術研究センター専任講師の小泉悠さんは、ロシア専門家であり、「軍事オタク」を自称する戦争研究者でもあります。その小泉さんに現代の戦争を理解するためのを挙げてもらいました。2冊目は『戦争の変遷』(マーチン・ファン・クレフェルト著)です。 <第1回「小泉悠 ウクライナの穀物が標的? 核と生物兵器の危機再び」から読む> そもそも戦争とは何か ロシアウクライナ侵攻を目の当たりにして、「この21世紀にこんな戦争ができるのか」と驚いた人も多いでしょう。米ソの冷戦時代以降、「核兵器が存在している以上、国家と国家が全力でぶつかり合う戦争はできないのでは」と思われていました。 ところが、今まさに我々が見ているのは、ロシアが核保有の超大国としての脅威を示しながら西側諸国を抑止し、戦争を行っている

    小泉悠 戦争のできない21世紀にロシアが始めた「古い」戦争
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