ブックマーク / niewmedia.com (14)

  • 21世紀のコーネリアスとアンビエント。人生も半ばを過ぎて語る、YMOの3人に思うこと | NiEW(ニュー)

    近年のCorneliusのアンビエント的楽曲を収めた作品集『Ethereal Essence』。そのリリースのアナウンスに触れた際、意外な驚きがあった。 アンビエントポップを意識したアルバム『夢中夢 -Dream In Dream』(2023年)や、『AMBIENT KYOTO 2023』への参加、あるいは近年のアンビエントリバイバルの背景を考えれば自然な成り行きとも思えるけれど、Corneliusはアンビエントに対して慎重な距離感を保っていたようにも感じていた。 稿では、Cornelius=小山田圭吾がどのようにアンビエントミュージックに親しみ、その音楽性に取り込んできたかについて話を訊いている。そしてそれは同時に、ミニマルミュージックを通過した独自のサウンドデザインの美学を紐解くことにもつながっている。インタビューは旧知の間柄で、『STUDIO VOICE』の元編集長・松村正人を聞き

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  • 折坂悠太が新たな風をまとって語る『呪文』。この世界に、しいて何か望むなら | NiEW(ニュー)

    キッチンの一角に佇む折坂悠太の姿をとらえたアルバムジャケット。暮らしのワンシーンを切り取ったその写真からも伝わるように、コロナ禍のヒリヒリとした空気をまとった前作『心理』(2021年)から一転、ひさびさの新作『呪文』には穏やかで心地のいい風が吹いている。 昨年末に先行リリースされた“人人”(BS-TBSドラマ『天狗の台所』主題歌)で示されていたように、収録曲の半数には静かな歌の風景がゆったりと広がっている。その一方で、“凪”や“努努”にはsenoo ricky(Dr)、宮田あずみ(Cb)、山内弘太(Gt)を中心とする骨太なバンドのグルーヴが渦巻く。ラストを飾るのは希望に満ち溢れた“ハチス”。いずれの楽曲からも現在の折坂の好調ぶりが伝わってくる。 多様な歌の数々をまとめているのは、『呪文』という意味深なタイトルだ。2023年に音楽活動10周年を迎え、新たな10年へと歩み出した折坂が綴る生活の

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  • 岸野雄一×出口亮太対談 「楽しい」からやり直す、芸術文化と地域コミュニティ | NiEW(ニュー)

    文化関係者にとっても試練の季節となったコロナ禍を経た現在。他方、それ以前から山積みとなっていた高齢化や福祉の不足、地域コミュニティの衰退などの社会的課題は、さらにその切実さ、複雑さを深めている。こうした時代に求められる、文化の姿とは何か? 今回はそんな問いを、地域のなかでしなやかに活動する2人のプレイヤーが話し合った。 1人目は、日各地で盆踊りを現代的にアレンジした祝祭の場をオーガナイズし、2023年には地元の東京・墨田でイベント『すみゆめ踊行列』も成功に導いたスタディストの岸野雄一。そしてもう1人は、長崎県長崎市で「長崎市北公民館」「長崎市チトセピアホール」「長崎市市民活動センター ランタナ」という3つの公共施設の指定管理者を務め、行政的には異分野とされるこれらの施設の連携を模索してきた出口亮太。2人は過去にも、公共施設の新しい使い方や、公共空間と文化の関係について対談を重ねてきた旧知

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  • ノラ・ジョーンズ、音楽づくりを語る「その瞬間の感覚を捉えたい」 | NiEW(ニュー)

    「ノラ・ジョーンズ(Norah Jones)はどんなアーティストなのか」という問いを投げられたとしたら、僕はうまく答えられる気がしない。言うまでもなくノラは“Don’t Know Why”の人ではあるのだが、それは最初期だけの話。その後、発表された作品群を聴いてみると、似たようなものがほとんどない。それぞれがその音楽性だけでなく、サウンドの質感なども含めて、いちいち異なっている。そのうえ、そこに傾向があるようにも思えない。プロデューサーやコラボレーターだって様々な人が起用されていて、その共演者に合わせて、大胆に変化もしている。それはノラのソロ作にも言えるし、The Little WilliesやPuss N Bootsなどのプロジェクトでも同様だ。おそらくノラは常に「そのときの自分」を表現してきた。それはまるでその時期のスナップショットのようなものにも思える。 しかも、そのときどきのノラの

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  • 息子が語る父「ボブ・マーリー」の真実。36年という短い生涯をかけて伝えた『ONE LOVE』 | NiEW(ニュー)

    映画『ボブ・マーリー:ONE LOVE』(原題:Bob Marley: One Love)が5月17日(金)より全国公開される。日に先立って2024年2月14日に公開されたアメリカでは全米週末興収ランキング2週連続1位を獲得。イギリスとフランスでは2018年公開の『ボヘミアン・ラプソディ』を超える公開初日興収を記録したほか、ボブ・マーリーの母国ジャマイカでは、公開初日の史上最高興収記録を塗り替えるなど、世界各地で大きな盛り上がりを見せている。 全世界で7500万枚以上のアルバムを売り上げ、没後には2001年のグラミー賞で特別功労賞生涯業績賞を受賞、「Hollywood Walk of Fame」への殿堂入りなど多くの偉業を残したジャマイカ出身のボブ・マーリー。なかでも、1977年リリースのアルバム『Exodus』の収録曲で、没後の1984年にシングルとしてもリリースされたボブ・マーリー&

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  • テイラー・スウィフト『The Tortured Poets Department』――セラピーとしての詩 | NiEW(ニュー)

    2024年4月19日に発売されたテイラー・スウィフト(Taylor Swift)の新アルバム『The Tortured Poets Department』。 2024年2月に行われたグラミー賞にてアルバム『Midnights』で年間最優秀アルバム賞を受賞し、その受賞スピーチで発表されたのがこのアルバムだ。 アルバム配信2時間後の深夜2時には、『The Tortured Poets Department: THE ANTHOLOGY』というタイトルで15曲が増曲されたことでも話題を呼び、Spotifyでは収録曲”Fortnight”が配信初日で2520万再生を記録。1日での過去最高記録を更新した。 2023年3月からは世界ツアー『The Eras Tour』を開催。2024年12月までに150公演以上が予定されているが、2023年時点で興行収入が約10億4,000万ドル(1ドル150円換算で

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  • 安部勇磨が振り返る自身初のアメリカツアー。バカなことに挑戦し続ける理由 | NiEW(ニュー)

    never young beachの安部勇磨が自身初の北米ツアーに挑戦した。ロサンゼルスのサンディエゴからスタートし、ニューヨークのブルックリンまで計11都市12公演をおよそ2週間という過密な日程で回った安部。国内では幾度となくツアーを開催、主要フェスのトリも多く務め盤石なキャリアを築いたバンドのフロントマンでさえ、楽屋は相部屋で演奏と移動の日々を繰り返したという。そこまでしても安部を挑戦へと駆り立てたのは、日に留まる危機感とまだ知らぬ刺激への渇望だった。 never young beachは今年で10年目を迎える。『笑っていいとも!』の放送終了と消費税8%の導入があった2014年のデビュー以降、バンドは順調にステップアップを続けた一方、メンバーの脱退も経験。ウキウキウォッチングだったお昼休みは他人の揚げ足を取る時間へと代わり、他人への不寛容と効率主義が社会に蔓延した結果、消費税は上昇を

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  • Aile The Shotaが大切にしてきた「根拠のない自信」。同調圧力に負けず自分をブラさないで | NiEW(ニュー)

    夢にもがいたコロナ禍ど真ん中の1年間 タカノ(MC):お手紙の中で、小さい頃からアーティストになることが、たった一つの夢だったと書かれていますけれども、何歳ぐらいからアーティストになりたいと思っていたんですか? 大学を卒業して、就職もせず、夢にもがいていた自分へ。 小さい頃からたった一つの夢である「アーティスト」。 高校、大学と進んでもなお、やはりその夢が霞むことはなく、君は根拠もなくそれを信じて叶えるために、やりたくもないアルバイトに勤しんでいるところでしょう。 手紙の序文。Aile The Shota直筆の手紙全文は4月11日(木)から下北沢BONUS TRACKで開催されるFRISK『あの頃のジブンに届けたいコトバ展』で展示される(詳細はこちら) Aile The Shota:小学生ぐらいのときから、テレビ音楽番組などを見ているうちに、気づいたら、僕は絶対にテレビの向こう側で歌う存

    Aile The Shotaが大切にしてきた「根拠のない自信」。同調圧力に負けず自分をブラさないで | NiEW(ニュー)
  • 傑作『龍が如く8』が扱う等身大の日本と、日本製大作ゲームの課題 | NiEW(ニュー)

    等身大な日を扱い、きわどい題材にも踏み込む『龍が如く』シリーズ 『龍が如く8』をプレイして「ひさしぶりに日RPGらしいRPGをたっぷり遊んだ」と嬉しくなった。クリアまでの時間は90時間超。仕事と生活に追われる社会人としては危険なボリュームだが、その蕩尽も惜しくない。小学生のとき、ジョブ(ナイトや白魔道士などの職業)やアビリティ(職業固有の能力)を習得するために夢中になって遊んだ『ファイナルファンタジーⅤ』を思い出す。 2005年から続く長寿シリーズである『龍が如く』は、しかし『FF』や『ドラクエ』とはまったく違う世界観のゲームだ。主な舞台になるのは歌舞伎町そっくりの繁華街・神室町や、横浜伊勢崎町そっくりの異人町など。メインの主人公は「堂島の龍」と呼ばれる元極道・桐生一馬で、彼がかつて属した広域指定暴力団・東城会を中心に、全国のヤクザや中国系・韓国系マフィアらとの血で血を洗う抗争がシリ

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  • トーキング・ヘッズ伝説のライブ映画『ストップ・メイキング・センス』の背景を解説 | NiEW(ニュー)

    Talking Headsが1983年にハリウッドのパンテージ・シアターで開催した伝説的ライブを収めた映画『ストップ・メイキング・センス』(原題:Stop Making Sense)が、A24の手により4Kレストア版として、2月2日(金)より全国公開される。また、全国のIMAXでの上映も決定した。 ライブパフォーマンスをアートの域まで押し広げた、圧巻の舞台を映し出す同作。1980年代の日公開時は、レイトショーのみの上映ながら、異例となる興行収入1億円を達成。 NYパンクバンドシーンの異端児で「インテリバンド」とも呼ばれた彼らは、どのようにしてライブ映画のマスターピースを作り上げたのだろう。バンドの来歴から、アフロビートとの出会い、映画の魅力までを深掘りしていく。 ※記事には映画編の内容に関する記述が含まれます。あらかじめご了承下さい。 NYパンクで異彩を放つTalking Heads

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  • ヴェンダースが音楽を教えてくれた。最新作『PERFECT DAYS』もその選曲は健在 | NiEW(ニュー)

    ヴィム・ヴェンダース監督の最新作『PERFECT DAYS』が12月22日(金)より公開となる。東京を舞台に、清掃員の男性の日常を描いた作は、主演の役所広司が『カンヌ国際映画祭』で最優秀男優賞を受賞するなど、すでに高い評価を集めている。 ヴェンダース作品における音楽の使われ方に、以前から並々ならぬ思いを持っていたという音楽ディレクター / 評論家の柴崎祐二が、作の魅力を解説する。連載「その選曲が、映画をつくる」、第9回。 ※記事には映画編の内容に関する記述が含まれます。あらかじめご了承下さい。 ヴィム・ヴェンダース作品における音楽 ある時期まで、私にとってヴィム・ヴェンダースの映画を観るという行為は、「ヴィム・ヴェンダースが選び、采配した珠玉の音楽を聴く」という体験を併せ持つものとして、大きな意味を持っていた。その初期作品、たとえば『ゴールキーパーの不安』『都会のアリス』『アメリカ

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  • 石若駿は止まらない。なぜ挑戦を続けられるのか、そのメンタリティに迫る | NiEW(ニュー)

    31歳になった今年は、映画BLUE GIANT』での活躍も大きな話題になったジャズドラマー・石若駿。12歳にして日野皓正のライブにゲスト出演し、東京藝術大学の器楽科打楽器専攻を首席で卒業するなどジャズやアカデミックな音楽シーンでは10代の頃から注目を集めていた存在であり、最近では椎名林檎、星野源、米津玄師などポップフィールドにも破竹の勢いで軸足を伸ばし続けている。 彼に驚かされるのは、そのプレイにとどまらない。一体いつ寝ているのかと心配になるほど、有名無名を問わず数多くのアーティストの現場でプレイを続ける仕事量――そのフットワークの軽さも尋常ではないのだ。世代やジャンルを超え、レコーディング現場でもライブ会場でも、求められる以上のパフォーマンスを常に提供する彼の無尽蔵なポテンシャルは一体どこから来るのか。成長し続ける石若駿というプレイヤーのチャレンジ精神に迫った。 コロナ禍に築き上げた関

    石若駿は止まらない。なぜ挑戦を続けられるのか、そのメンタリティに迫る | NiEW(ニュー)
  • 『カラーパープル』労働歌、ブルース、ゴスペル…時代を映す音楽とその効果的な「齟齬」 | NiEW(ニュー)

    © 2023 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved. © 2023 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved. 20世紀前半のアメリカ南部を舞台に、過酷な状況に置かれたアフリカアメリカン女性の半生を描いたミュージカル映画『カラーパープル』。 作の音楽について、音楽ディレクター / 評論家の柴崎祐二は、「時代とその変遷を表すものになっている一方、時代考証にこだわりすぎていないことが豊かな魅力を作り出している」と指摘する。 アフリカアメリカン版『レ・ミゼラブル』ともいうべきこの大作の魅力に、音楽の面から迫る。連載「その選曲が、映画をつくる」、第11回。 ※記事には映画編の内容に関する記述が含まれます。あらかじめご了承下さい。 スピルバーグも映画化した名作小説

    『カラーパープル』労働歌、ブルース、ゴスペル…時代を映す音楽とその効果的な「齟齬」 | NiEW(ニュー)
  • 「私は何のために作られたの?」と問うているのは、映画『バービー』それ自体かもしれない | NiEW(ニュー)

    ©2023 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved. ©2023 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved. 音楽ディレクター / 評論家の柴崎祐二が、映画の中のポップミュージックを読み解く連載「その選曲が、映画をつくる」。第4回は、マーゴット・ロビー主演『バービー』を取り上げる。 バービー人形をモチーフに、ジェンダーをはじめ種々の社会的なテーマに取り組んだ作は、Netflixの諸作品とも通じるような、いかにも今日的なエンターテイメント作品といえる。マーク・ロンソンのプロデュースのもと、今を代表する豪華なミュージシャンが集結したサウンドトラックも大きな話題だ。 柴崎は、作の社会問題への眼差しや音楽の優れた使用に一定の評価を示しつつも、それらが「目配せ」的な「記号」となっていることに疑義を呈する。それは、メタ的な手法が

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