ブックマーク / note.com/kyodo_shinpai (9)

  • 第1話 板挟みの場所|共同親権の問題について正しく知ってもらいたい弁護士の会

    共同親権ホラー」は、共同親権の導入を心配する弁護士たちが創作したホラー短編です。 8月。夏休みの良く晴れた日。光司は小学校に入って初めての夏休みを迎えていた。太陽の強すぎる光が光司の住む家の庭にも降り注ぎ、庭の中央に干された光司の敷布団を白く輝かせている。 その敷布団の中央には大きく濡れた後。 光司は昨夜、おねしょをしてしまったのだった。年少のときにおむつが外れて以来のことだった。わざとらしく道に向けて干されているおねしょ布団を横目で見ながら、光司は庭に面したリビングの床に寝転がっていた。 Ⓒねこ⭐︎はち 「おう、ションベンたれ、何してるんだそんなところで。宿題はしたのか?」 意地の悪いしわがれた声で、祖父の文治が光司に話しかけてきた。 「・・・。今日の分は終わった。」 「そうか。じゃあ外にでも遊びに行け。せっかくの夏休みだ、天気もいい。それともあれか、寝ションベンしたのが恥ずかしくて、

    第1話 板挟みの場所|共同親権の問題について正しく知ってもらいたい弁護士の会
  • オーストラリア家族法の2023年改正について|共同親権の問題について正しく知ってもらいたい弁護士の会

    長谷川京子弁護士より、オーストラリア議会ウェブサイトからダウンロードした改正法Billとその説明文書のうち、離婚後の親責任の共同の推定削除、養育時間の分配の義務的考慮削除、長期的重要事項の決定、日常的事項の決定(以上Schedule1)、子どもの独立弁護士(同4)、離婚後アビューズ防止のための改正(同5)に関わる部分の翻訳の提供を受けました。 オーストラリアの2023年10月の家族法の改正は、大掛かりな改正であり、注目される点は以下のとおりです。 1)別居親の関わりを推進する法政策の下、「原則共同(分担)、DV虐待例外」というアプローチでは、危害ある事案をスクリーニングできず、子の福祉を害したという経験に基づいて、 2)「別居親との関係継続(親責任の均等分担)が子どもの利益になる」という推定条項を削除し、子どもの養育(親責任の分配・コンタクト)に関しては、子どもと子どもをケアする親の安全安

    オーストラリア家族法の2023年改正について|共同親権の問題について正しく知ってもらいたい弁護士の会
  • 共同親権導入のリスクについて|共同親権の問題について正しく知ってもらいたい弁護士の会

    現在の日共同親権制度を導入した場合のリスクについて、実務の観点から法制化が何をもたらすのか考えたい。 一定の信頼関係があり離婚後もコミュニケーションをとることの可能な父母間では共同法制は必要なく、現行でも共同養育が実現できている。共同親権制度の導入は、このような任意の共同養育が不可能な父母間で、共同の強制をもたらす効果をもつものである。 協議離婚の場合には、来共同できないケースにおいて力関係により共同が強要されるうるし、調停・裁判離婚の場合においては、共同が合意できない紛争事案で裁判における法規範の作用として共同が強制される結果になる(共同先進国のオーストラリアでは、父母間で共同について合意できない紛争事案ほど、実際には裁判所は単独親権を命じることを回避し共同を命じる傾向があるとされる)。 世界的にも裁判事案の半数以上はDV虐待が主張される、つまり共同できないケースにもかかわらず、実

    共同親権導入のリスクについて|共同親権の問題について正しく知ってもらいたい弁護士の会
  • 「片親疎外」ないしそれに類似する似非概念の濫用により、DVや虐待が無視されていることを指摘した国連の特別報告者のレポート|共同親権の問題について正しく知ってもらいたい弁護士の会

    下記の「片親疎外」に関する国連の特別報告者のレポートを、弁護士チームで翻訳したので公開する。日共同親権運動の問題点の理解が深まるとともに、実際の事件において、相手方から「片親疎外」を主張される事案においても参考になると思われる。 https://bit.ly/42vxrOT 国際連合 総会 A/HRC/53/36 区分:総会 2023 年4月13日 原文:英語 人権理事会 第53会期  2023年6月19日~7月14日 議題3 開発の権利を含む,市民的,文化的,経済的,政治的及び社会的なあらゆる人権の促進と保護 監護(Custody),女性に対する暴力,子どもに対する暴力 女性と女児に対する暴力の原因と結果に関する特別報告者,リーム・アルサレム氏の報告書 概要 女性と女児に対する暴力の原因と結果に関する特別報告者,リーム・アルサレム氏の報告書は,決議 50/7に従って人権理事会に提出

    「片親疎外」ないしそれに類似する似非概念の濫用により、DVや虐待が無視されていることを指摘した国連の特別報告者のレポート|共同親権の問題について正しく知ってもらいたい弁護士の会
  • 「連れ去り非難から保護へ。ハーグ条約の不正義を終わらせよう」|共同親権の問題について正しく知ってもらいたい弁護士の会

    今日は早朝から「連れ去り非難から保護へ。ハーグ条約の不正義を終わらせよう」というウェビナーを聞く。 https://www.tickettailor.com/events/filia/875767 ハーグ条約は、国境を越えた子の「連れ去り」によって生ずる子への悪影響から子を守るために,原則として元の居住国に子を迅速に返還するもの。 もともとは父親による連れ去りを念頭に置いてたみたいだけど、今や75%が主たる監護親たる母親が母国に帰ったものが対象で、DV避難を妨げるものになってしまっている。母子の安全と幸福に大いに支障があるとアメリカ、イギリス、ニュージーランド、オーストラリアなど様々な国の学者や実務家がうったえたもの。 例えば、夫のDVから逃れるため2人の息子を連れて英国からオーストラリアに逃れたキャシー・ハサノビッチさん。 英国の警察はキャシーとその子どもたちを危険性が高いと判断したにも

    「連れ去り非難から保護へ。ハーグ条約の不正義を終わらせよう」|共同親権の問題について正しく知ってもらいたい弁護士の会
  • 国内外で誤った事実が報道された離婚事件について|共同親権の問題について正しく知ってもらいたい弁護士の会

    以前にも紹介した、国内外で誤った事実が報道された離婚事件について、2023年4月14日、東京高等裁判所は、第1審と同様に、親権者を母として、夫婦の離婚を認める判決を下した。 【第1審に関する記事】令和4年7月7日東京家裁離婚訴訟判決について https://note.com/kyodo_shinpai/n/n634d7742c695 この事件は、私人の離婚事件であるが、共同親権を推進したい勢力によって利用され、フランス人夫が、日に対して、「子どもを誘拐した母である」、「子どもに対する虐待をしていた」と激しく非難し、自らのことを、生活費を支払わされ、子どもにも会わせてもらえない被害者であるとアピールし、夫の主張どおりの内容で国内外で大々的に報道され、それが真実であるかのようにSNSで拡散されてきた。 昨年夏、東京家庭裁判所において、第1審の判決が下された後も、日に対する誹謗中傷は

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  • 離別後のパートナーに対する嫌がらせーリーガルハラスメント、その実態|共同親権の問題について正しく知ってもらいたい弁護士の会

    イギリスのDV法改正では、多数の新しい修正案が提示され、被害者の保護を強化し、加害者をさらに厳しく制限することをめざしているとのこと。リーガルハラスメント禁止令が追加されるという話もあるようです。 https://www.gov.uk/government/news/new-laws-to-protect-victims-added-to-domestic-abuse-bill 日でも導入されて欲しい非常に関心が高い改正です。リーガルハラスメントは、司法手続きを使った嫌がらせです。離婚や別居の後に、(元)パートナーに対する嫌がらせとして起こります。日でも、数年前から特徴的に生じている現象で、家裁の事件の多い弁護士で、その凶悪性を知らない人はいないと思います。 該当部分を抜粋すると、 clarify the use of ‘barring orders’ in the family co

    離別後のパートナーに対する嫌がらせーリーガルハラスメント、その実態|共同親権の問題について正しく知ってもらいたい弁護士の会
  • 令和4年7月7日東京家裁離婚訴訟判決について|共同親権の問題について正しく知ってもらいたい弁護士の会

    人のとフランス人の夫との離婚訴訟で、東京家庭裁判所は、7月7日、親権者をとし、離婚を認める判断をした。 この事件をめぐっては、被告(夫)が、「子どもを誘拐された」と主張し、長女が自宅のガレージから車のトランクに入れられて実の母親によって「誘拐」されたというストーリーが、「防犯カメラの映像」とされる動画とともに拡散されてきた。2021年7月、被告が、3週間にわたり、ハンガーストライキを行うと、海外のメディアに取り上げられ、11月には、フランス司法当局が原告に対し誘拐罪で逮捕状を出したということが国内外で報じられた。夫は、日外国特派員協会等において複数回にわたって記者会見を行い、子らの氏名を含む個人情報を公開しており、その結果、原告を犯罪者扱いする誹謗中傷が繰り返され、母子の生活を脅かし、原告は甚大な精神的苦痛を受け続けている。 原告側は、係争中であったことから、沈黙を守ってきたが、

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  • はじめまして!|共同親権の問題について正しく知ってもらいたい弁護士の会

    私たちは、離婚・DV・虐待などの家事事件を取り扱っている弁護士です。離婚共同親権をめぐる諸問題に関するマスコミの報道やSNS上の議論をみて、あまりに現場からかけ離れた議論がなされていることを危惧しています。現場をよく知る弁護士として、このまま放置していたら、DV被害者や子どもたちの安心や安全が脅かされるのではないか、しかし、離婚共同親権に関して反対や慎重な立場からの論考を実名で発信すれば、業務妨害などを受けかねない。どうしたらよいのか慎重に議論を重ねた結果、手探りでも、動き出さないといけないという意見で一致し、noteを開設して、離婚共同親権に関する様々な論点について発信していくことにしました。 「共同親権の問題について正しく発信したい」ということが、私たちの一番の問題意識であり、可能な限り事実を伝えるということに徹してこの問題を伝えたいと思います。 日の家族法において、どういう規

    はじめまして!|共同親権の問題について正しく知ってもらいたい弁護士の会
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