西日本にある大手自動車メーカーの工場で08年、生産ラインの稼働をコントロールする「制御システム」がコンピューターウイルスに感染し、処理能力が一時低下するトラブルが起きていたことが経済産業省の調べで分かった。今夏以降、防衛関連企業や中央省庁などへのサイバー攻撃が相次いで発覚したことも踏まえ、経産省は先月、「制御システムセキュリティ検討タスクフォース」を設置し、重要インフラの制御システムに対するサイバー攻撃の防御対策に乗りだした。 経産省によると、この工場のトラブルは08年12月、制御システムのネットワークにパソコンを追加導入した際に発生。システム内のパソコン約50台がウイルスに感染し、処理能力が一時低下した。幸い、生産ラインが止まるなどの深刻な事態には至らなかった。意図的なサイバー攻撃ではなく、偶発的にウイルスが紛れ込んだ可能性が高いという。 工場や発電所などの稼働をコントロールする制御シス