作家の中村うさぎさんの小説で名誉を傷つけられたとして、大阪府高石市の女性が、中村さんと発行元の太田出版(東京都新宿区)に1千万円の慰謝料を求めた訴訟の判決が30日、大阪地裁堺支部であった。中村哲裁判長は名誉毀損(きそん)とプライバシーの侵害を認め、中村さんと同社に100万円の支払いを命じた。 判決によると、中村さんは、ペンネームを使いインターネットなどで著作活動していた女性をモデルにした小説を、太田出版の雑誌に連載。平成22年に同社から「狂人失格」として単行本化された。 中村裁判長は、著書に実名は記載されていないが、女性を知る人が読めばモデルと推認されると指摘。社会的に適合しない異常な人物であるように人格や身体的な特徴を描き、名誉を低下させたと認定した。