年末年始を迎え、スーパーには餅がたくさん並んでいる。この時期になると、餅による高齢者の窒息事故を防ぐためのキャンペーンを目にする。しかし、これだけ注意喚起をしているのに毎年死者が出ている。 【グラフ】餅の購入量、10年でこれだけ減った 消費者庁によると、2018年と19年の2年間で餅による窒息事故の死者は661人。被害の多くは正月に集中しており、ネットでは「危険な食べ物」として認知されている。 ただ、東京消防庁の事故統計では、餅をのどに詰まらせた救急搬送件数は減少傾向だ。餅の消費量自体が減っていることに加え、介護施設でも訴訟リスクを考え、餅を提供する事業者が少なくなっていることも一因のようだ。 同時に安全に食べられる工夫も進んでいる。事故のリスクもあるけれど、それでも食べたい――。日本人と餅との「愛憎」入り混じった戦いの最前線を取材した。(ライター・国分瑠衣子) ●過去10年の搬送件数は減