池田信夫氏が実質金利均等化について書いている。同様の議論は以前Baatarismさんが紹介された藤沢数希氏もしており、小生はBaatarismさんのコメント欄でそのおかしな点を指摘した。簡単に言えば、金融市場が裁定を図るのはあくまでも名目金利であり、実質金利ではない、ということである。 では、実質金利均等化を議論すること自体が無意味かと言うと、そういう訳ではない。実際、「real interest rate parity」でぐぐってみると、このテーマを扱った論文が数多く引っ掛かってくる。たとえば、(google scholarを除いて)最初に引っ掛かってくるこの論文では、様々な統計的手法を用いた検証を行い、実質金利均等化を支持する明確な傾向は観察されない、と報告している。 ここで注意すべきなのは、実質金利均等化の成立には、金融市場だけでなく財市場の統合化も前提となる点である。そのロジックを