では、ここからが本題だが、緊急地震速報チャイムを聞くと、なぜ私たちは怖いと感じてしまうのだろうか。 まず緊急地震速報チャイムの「音」自体に、人間が怖いと感じる要素は含まれているという。 「緊急地震速報チャイムを作るにあたっては、念入りに緊張感を調整し、NHKスタジオで被験者を集め大規模な実験も行いました。そこでは特に怖いという感想はなく、『緊急性は感じさせるが不安感は与えない』と自信を持っていました。しかし、緊急地震速報チャイムには“急激に変わる音程”と“不協和音”が使われています。ヒトの聴覚は、音程が急激に変わる音を怖く感じます。パトカー、救急車のサイレンは、この効果を利用しています。『キャー』という悲鳴もそうです。また不協和音も怖さに関係があります。ヒッチコック監督の映画『サイコ』で有名なバスルームの殺人シーン。あのときに流れている音楽も不協和音です」 だが、緊急地震速報チャイムが怖い