ある日、娘は新生児のころから愛用していたプーさんの枕を取り上げられた。彼女はもうすぐ3歳だが、悲しいことがあったり、怒られたり、眠くなったりすると、いつも枕を手に取り顔を埋めるのだ。それが彼女の精神を落ち着かせる安定剤でもあった。 それを理不尽に奪われた。 布団を敷き、彼女を寝かせようと枕を持ってくることを促したのだが、悲しい顔をして拙い言葉で僕に、枕が捨てられたことを訴えた。僕はなぜそんなことをしたのか、さっぱり理解できなかった。妻を問いただすと、いつまでも枕に依存させないためだという。来年は幼稚園、大きくなっても枕がないとだめな子にならないためにも、取り上げたというのだ。 これには僕は俄然納得ができなかった。どうしても納得しきれない。 心から愛していたものを、心の拠り所になっていたものを他人の理屈で無理矢理に奪われる。そんなことが許せなかった。たとえそれが3歳児相手であろうとも、許せな