昔々学部学生の頃、大学院進学希望の同級生たちとE.デュルケムの『社会学的方法の規準』を原文で読む読書会をはじめた。もちろん岩波文庫の宮島喬訳も、図書館で探せば田辺寿利訳もあったから(折原先生オススメ)、原文は傍らに置いてときどき見るくらいのユルい読書会だった。その時の仲間は、私以外は皆個性的かつ生産的な研究者になった。 さて、毎回楽しくやっていたのだが、あるとき私たちの兄貴分だった大学院生がやってきて、私に「何でそんなつまらないことをするのかな」と言った。いきなりの冷や水に私は返す言葉がなかった。そのときの彼の顔を今も思い出すことができる。後で彼の専門がM.ウェーバーだからかななどと考えてみたが、やはり分からない。そのままにしたまま読書会は続き、私たちの過半は大学院に進み(進まなかった人も後に研究者の途に進んだ)、読書会は新しいメンバーを加えて、鈴村興太郎『経済計画理論』を読んだところで終
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