太陽光や風力で発電した電気を電力会社がすべて買い取ることを義務づける「再生エネルギー特別措置法案」が今週にも成立する見通しだ。来年7月からこの法律が施行されれば、標準家庭で月150円の電気代値上げになるという。 「脱原発」を掲げる菅直人首相が自らの退陣の条件としていた法案のひとつ。民主党も自民党も、菅首相を引きずり下ろしたい一心で同法案を通過させた。経団連だけは最後にごねて、電力を大量消費する企業への割引措置を勝ち取った。だが、一般庶民は、あれよあれよという間に同法案が成立するのを、ただ見守るしかない。再生可能エネルギーの離陸のための痛みを、誰が引き受けるのかという国民的議論はなかった。 いらいらするのは暑さのせいだけではない。福島第1原発事故の惨事の後、原発への不信から再生可能エネルギーへの期待が高まったのは事実だ。忌まわしい原発の代わりに、クリーンなメガソーラー(大規模太陽光発電所)を