ブックマーク / www.nextftp.com (8)

  • オタク趣味以外にアイデンティティを補強する手段を持たない人達(汎適所属)

    オタク趣味以外にアイデンティティを補強する手段を持たない人達 ――オタク趣味に後ろ向きだけど、すがりつかずにはいられないという矛盾―― 【はじめに】 Zさん(仮称)はオタク趣味人としてハイレベルな知識と経験を持った、手強いオタクさんである。専攻はコミック分野・洋物ファンタジーあたりだろうか。一方で、東洋思想や西洋哲学、宗教学などへの造詣も深く、オタクな話題を交換する時にもそれらを交えた芳醇な視点を提供してくださる方である。 このZさんと話をしていた時に、興味深い台詞が出てきてハッとさせられた。 「世に言うオタの人達は、生業としている仕事や全人格的なモノ※1を帰属先とせず、趣味の分野でアイデンティテイを形成しているのかしら? 」 ああ、オタク趣味やサブカルチャーにアイデンティティ・自己実現感を依存している人があまりにも周囲に多すぎるせいで、Zさんのようなオタクさんが存在していることをすっか

  • シューティングゲームに登場する美少女達の歴史――フェリオスからエグゼリカまで(汎適所属)

  • 能動過小傾向がみられることは「悪」か?(汎適所属)

    他者に対する能動過小傾向が、現代の若年男性の幾つかのグループでみられることは今回の特集で散々述べたことだが、今回は、敢えて一章を割いて、『能動過小のオタク非モテや引きこもりは悪だ!』とするむきに反対意見を提示しておきたい。自戒もこめて。 しばしば、オタクやモテない男や引きこもりは社会的に良くないものとみられやすい。あるいは蔑視されやすい。恋愛するのが義務であるかのような風潮は、モテない男を異常視するような雰囲気を生みだしているし、引きこもりには“穀潰し”“社会のゴミ”というレッテルが貼り付けられやすい。『電車男』『2005年のオタクブーム・メイド喫茶ブーム』も、オタクの社会的認知を向上するというよりは見せ物としてのオタクを印象づけただけだった。オタク・モテない男・引きこもりを巡る蔑視が問題視される要因のなかには、自意識の問題※1に由来する、彼らの被害的な態度が関与している部分もあるにせよ

  • 脳内補完における、萌えキャラとオタクとの一方向的関係(汎適所属)

    ・脳内補完における、萌えキャラとオタクとの一方向的関係 ――拒絶の無い世界における、あられもない営み―― さて、一つ前のテキストで、消費者たるオタクに常に従順で拒否を示さない属性を持ったキャラクター達がさかんに消費されている事を述べた。こういったキャラクター達が持つ属性は、前述の通り、オタクがキャラに願望を投射し、萌えな脳内補完(脳内萌えシミュラークル)を形成するのに適した、ある種のフォーマットとして機能している。だが、こういった従順なキャラとオタクとの関係は脳内補完(かそれに近い描写のなされた同人等)という閉じた場においてのみ形成されるため、キャラクターとオタクの関係は、現実の男女関係とはかなり異なっている。 コミケの三日目、成人向きの日に東館で同人誌漁りをすると、メイド・幼女・幼なじみなどの属性をひっさげた萌えキャラ達がどういった形でオタクに消費されているのか、その最も激しい部分を観察

    yu_i
    yu_i 2006/04/19
  • 萌えについて提出された幾つかの考え(汎適所属)

    男性オタクが消費する様々なオタクコンテンツ(特にアニメ・漫画ゲーム)において、女性キャラクターが大きな位置を占めてきたことは、皆さんもよくご存じのことと思う。古い時代においても、『機動戦士ガンダム』のセイラさん・『めぞん一刻』の響子さん・ 『ワルキューレの冒険』のワルキューレ・『同級生』シリーズの田中美沙等々の様々な女性キャラ達がオタク達の心を鷲掴みにし(いずれも同人世界でも活躍)、比較的新しい時代においても彼女達の後継者は絶える事が無い。現在は、以前のように強烈な求心力を持った女性キャラクターがなかなか誕生しないかわりに、様々な特徴(以後、属性と表記)を貼り付けられたキャラクター達が次々に生まれ出ては消費され、新しいキャラクターにとってかわられる傾向が続いている。異性キャラクターが出現→消費→交代するスピードは往事とは比較にならないほど早く、この分野の爛熟ぶりが伺える。 それにしても、

    yu_i
    yu_i 2006/04/19
  • オタクのセクシャリティと“萌え”に関する特集(汎適所属)

    (男性)オタクのセクシャリティに関連したテキスト集と、萌え関連のテキストを2005年に集中生産しました。なお、テキストの一部はこちらやこちらと重複してます。 【オタクのセクシャリティをみていくにあたっての御挨拶・まとめ】 →はじめに →萌え関連テキストに関する警告(直面化がもたらす問題について) →アブストラクト(休止中。ほったらかしになっています) →萌え特集を終えるにあたって(2005.Nov.) 【萌えの歴史】 これまで挙げられた視点について・萌えコンテンツの変遷など →萌えについて提出された幾つかの考え(2005.Aug.) ――私が読んだところの、二冊のを中心に―― 補足:→以後のファリック・ガールの取り扱いに関して →萌えの歴史的変遷・私家版β(2005.Aug.) 議論を踏まえる前提として、とりあえず用意してみました。 【萌えやセクシャリティの考察】 オタク達が好んで消費す

  • 萌えの歴史的変遷・私家版β(汎適専用)

    萌えの歴史的変遷・私家版β(2005.08/15) (暫定版、こんなの満足いく出来になるのはいつになるやら) 今後の萌えの状況がどうなるのかを考える前に、これまでの“萌えの歴史的変遷”についてまとめておくのも悪くないと思い、私の知り得る範囲で一応まとめてみたのがこのテキストである。オタク界隈の歴史的変遷については、既に優れた論者達が幾つものレビューを発表しているが、“萌え”、特にセクシャルなニュアンスを含んだ狭義の“萌え”に特化していて、なおかつ当サイト的視点に深く関連したレビューが見つからなかったので自前で用意してみた次第である。 なお、企画がオタクのセクシャリティを対象にしている事もあって、この年表はギャルゲー・エロゲー界隈に偏った内容になっている。それ以外の部分については喫茶ぱらだいす☆あ~み~さま所属の、こちらをかなり参照させて頂いている。この《ぱら☆あみ》さまは歴史あるサイトだ

  • オタクにみられる防衛機制(汎適所属)

    ・まず、防衛機制とは いきなりオタクにみられやすい防衛機制について語り出す前に、シロクマが知るところの防衛機制について、まだまだ不勉強ながらも極めて簡単な概略を呈示しておこう。 防衛機制とは、S.フロイトによって提唱された、精神分析の支える重要な概念(or着眼点)のひとつである。人間の生きる世界は、心の安寧や均衡を損ねるようなシビアな出来事に満ち満ちているが、そういった外界の出来事をナマのまんまでいちいち心に受け止めていては精神の安定を維持し難い。もしそんな事をしていたら、人混みで迷子になるたびに大パニックになり、家族が死ぬたびに病になりかねないし、嫌いな上司の姿を見るたびに恐怖で動けなくなってしまうだろう(この事は、防衛機制に障害が発生してしまった人においてリアルに確認出来る)。 だが人間の(特に意識されない)精神機能のなかには、こういった強烈な情動が意識に侵入してくるのを追い払う(或

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