殻を覆う太くて長いトゲが特徴のノコギリウニが神奈川県葉山町の海で見つかり、同町一色の鹿島建設葉山水域環境実験場で飼育されている。 相模湾以南の温かい海に生息しているウニの仲間で、新江ノ島水族館(藤沢市)によると、県内の海で実際に見つかるのはまれという。 全体が赤褐色で殻の直径約10センチ、トゲの長さ約9センチ。近くの漁師三橋直吉さん(78)が先月21日、岩礁近くの水深13メートルに仕掛けたイセエビ漁の網にかかっているのを見つけ、同実験場の山木克則主任研究員(46)に連絡した。三橋さんは「60年以上漁師をしているが、こんなウニは見たことがない。仲間にも見せたが、分からなかった」と話している。
兵庫県の淡路島に生息するニホンザルの集団は他の地域と比べて他者に優しい性質を持ち、「優しさ」に関係する遺伝子の構造にも、差があることを、京都大野生動物研究センターなどが発見した。 遺伝子が、「社会行動」を左右している可能性を示す研究で、6日から名古屋市で始まる日本霊長類学会で発表する。 同センターの村山美穂教授や大阪大人間科学研究科の山田一憲講師は、直径8メートルの円にエサをまき、サルの行動を観察。淡路島では群れの大半の180匹が集まって食べ、争いもほとんどなかった。一方、岡山県真庭市の集団では強いサルが弱者を追い払い、円内に入れたのは150匹のうち最大で20匹だった。 さらに村山教授らは、ヒトやサルの出産などの際に増え、攻撃性を抑え寛容性を高めるとされるホルモン「オキシトシン」に着目。このホルモンの指令を受け取るたんぱく質の遺伝子に、個体によって違いがあることを見つけた。
東京都江戸川区の都立葛西臨海水族園から3月に逃げ出したフンボルトペンギンが東京湾にいることがわかった。 都によると、今月12日正午過ぎに「東京湾を船で移動中、晴海沖でペンギンを見た」という情報が同園に電話で寄せられた。目撃者が撮影した映像を職員が確認したところ、右の翼に識別のための黄色いリングがあり、同園では「逃げたペンギンに間違いない」と断定した。 同園にはほかに、「江戸川で見た」など約30件の目撃情報がこれまでに寄せられ、職員が1日2~3回、旧江戸川や荒川の河口付近などを捜索している。都は「見つけたら捕まえずに連絡してほしい」と呼びかけている。 情報は葛西臨海水族園(03・3869・5153)へ。
求愛行動 親から学べず、ペア成立半分ほど 佐渡市で放鳥されたトキのうち、人の手で育てられた「人工育雛(いくすう)」のトキよりも、親鳥に育てられたトキの方がペアを作りやすいことが分かった。人に育てられたトキが雄も雌もモテないことが浮き彫りとなったが、専門家は「親鳥に育てられたトキは行動をまねして求愛行動などがうまくできるからでは」と分析している。 過去5回の放鳥で自然界に戻ったのは計78羽で、このうち44羽が佐渡島内に生息している。今季は計15組30羽がペアを組んで抱卵、さらに2組がペアを組む動きをみせている。 注目は相手をみつけられなかった10羽のトキだ。放鳥前にどうやって育てられたかを調べてみると、10羽中7羽が人の手から餌やり用の注射器などで餌を与えられて育っていた。人工育雛のトキは15羽が放鳥されているが、約半数がぺアを組めなかった。 人に育てられたトキがモテないことは、昨年の繁殖期
福島第一原子力発電所から出る高濃度汚染水の処理に使うポリ塩化ビニール製のホースから水漏れが22件見つかっている問題で、東京電力は9日、ホース周辺にはえたイネ科の雑草のチガヤが原因と断定した。 ホースからは枯れたチガヤが見つかっている。東電は、ホースに欠陥がある可能性もあるとみて、ねじり、ひっぱりなどの実験を行ったが、破損は生じなかった。一方で、先端のとがったチガヤと同じ硬さの針を刺すと貫通。チガヤが原因と結論づけた。ホースは、汚染水を処理して冷却に再利用する「循環注水冷却システム」に使われ、全長4キロ・メートル。東電は再発防止のため、チガヤが貫通しないシートを地面に敷くなどの対策をとりたいとしている。
日本発の画期的な医薬品作りを目指す内閣官房医療イノベーション推進室長の中村祐輔・東京大学医科学研究所教授(59)が、室長を辞任して来年4月から米シカゴ大学に移籍することが12日わかった。 中村教授は今後、米国を拠点に、がん新薬などの実用化を目指すという。国の旗振り役が国内での研究開発に見切りをつけた格好で、波紋を呼びそうだ。 同推進室は今年1月、仙谷由人官房長官(当時)の肝いりで、ノーベル化学賞受賞者の田中耕一さん(52)らを室長代行に迎えて発足。省庁の壁を取り払い、国家戦略として医療産業の国際競争力を強化するための司令塔となることを目指した。 ところが、発足直後に仙谷長官は退任し、10月の第3回医療イノベーション会議には、それまで出席していた経済産業省や内閣府の政務三役も欠席。今年度の補正予算や来年度の予算案策定でも、各省庁が個別に予算要求を出すだけで、「日本全体の青写真を描けなかった」
【ワシントン=山田哲朗】シュレッダーにかけられた文書を解読する米国防総省高等研究計画局(DARPA)の公開コンテストで、同局は2日、米カリフォルニア州のチームが全文書の復元に成功、賞金5万ドル(約390万円)を獲得したと発表した。 競争には約9000チームが参加。このうち優勝したのは、サンフランシスコの少人数のコンピュータープログラマーらで、紙片の組み合わせ案を探索するプログラムを開発、提示された組み合わせを人間が確認していく方法で、5種類の文書、計1万個の紙片を復元した。 専門家の間では当初、そもそも短期間での全問解答は不可能との見方もあった。同局は「コンピューターだけではなく、人間の力も組み合わせる手法が最も効率的だった」と評価している。
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