ネアンデルタール人(ホモ・ネアンデルターレンシス)は、現生人類(ホモ・サピエンス)の近縁種として知られているが、謎の多い種でもある。最近、目覚ましく発達した分析技術により、ネアンデルタール人の秘密が徐々に明らかになり始めた。 例えば、現代の人間のDNAに残るネアンデルタール人の痕跡を分析した最新の研究によると、ネアンデルタール人は、3万7000年前まで現生人類と異種交配を行っていたという。また、別の研究では、アジア人と南アメリカ人に、ほかの地域と比べてネアンデルタール人と共通する遺伝子要素が多いことが判明した。 イギリスにあるロンドン自然史博物館の古人類学者クリス・ストリンガー氏は、「両種の間にこれほど複雑な関係が存在したとは、2~3年前には予想もしなかった」と話す。 この画像を大きなサイズで見る かつては「野蛮なネアンデルタール人」と「洗練された現生人類」といったイメージが固定化していた