アメリカの宇宙ファンたちの間で、若い日本人による、あるアイデアが、最近ちょっとずつ話題になっています。それが、「彗星ヒッチハイカー」、文字通り彗星の背中にヒッチハイクして太陽系を移動するというアイデアです。魚釣りの糸のように彗星にヒモをひっかけて宇宙船を引っ張ってもらう「タダ乗り」宇宙航行。カーボンナノチューブのヒモを使えば、冥王星まで5、6年で到着可能になるそうです。 本当にこんなことが可能になるかは、「彗星ヒッチハイカー」の発案者にして本書の著者である小野雅裕さん次第。今年度のNASA「NIACフェロー」に選ばれた彼は、これからおよそ1000万円をかけて「彗星ヒッチハイカー」の実現性を探ります。なぜ、小野さん、1982年生まれの普通の日本人が、NASAでこんな近未来的な研究をすることになったのか? それが書かれているのが本書、『宇宙を目指して海を渡る MITで得た学び、NASA転職を決