もう一つ上の日本史 『日本書記』読書ノート・古代~近世篇、同・近代~現代篇 [著]浮世博史 一昨年刊行された百田尚樹氏の歴史随筆『日本国紀』は、大ヒットの半面、事実誤認、誤解を招く記述、極端な解釈などが、評者を含め各方面から指摘された。中でも注目されたのが、現役の歴史教師である著者が「こはにわ歴史堂のブログ」で連載した『日本国紀』批判で、その記事は200を超えた。本書はその書籍化である。 『日本国紀』の膨大な間違いを一つひとつ俎上(そじょう)に載せると細かくなりすぎてしまい、揚げ足取りと非難されがちだ。ただ『日本国紀』は、一般読者が陥りやすい勘違いや、世間で流布する雑学風の「物語」を多く含んでおり、これらを訂正することは百田氏への攻撃ではなく、社会的意義を持つ教育活動である。 本書は、「遣唐使の廃止によって大陸からの文化の流入が止まり、日本独自の文化が生まれた」「元禄時代の荻原重秀はケイン
