(しみず・のりひろ) 1961年生まれ。2001年から現職。一般社団法人日本体育・スポーツ・健康学会副会長。編著書に「子どものスポーツ格差 体力二極化の原因を問う」(大修館書店)、「よくわかるスポーツマネジメント」(ミネルヴァ書房)など。) ――子どものスポーツ格差とはどういう問題ですか。 家庭の経済格差によって子どもたちの体力が二極化しているという問題です。経済的に豊かな家庭の子のほうが、低収入の家庭の子よりも体力テストの総合点が高いのです(下のグラフ)。特に、世帯収入400万円未満の子どもの体力の低さは深刻です。 私は子どものスポーツ格差について次のように定義しています。 「子どもが生まれ育つ家庭や地域、学校などの条件が原因となって生じる①スポーツ機会へのアクセス②運動習慣③運動への意欲④スポーツ活動によって獲得される体力や運動能力等の諸能力、にかかわる許容できない不当で不平等な差異の