頭が割れそうに痛い。 どうも風邪を引いてしまったようだ。 しかし、奴らは待ってくれない。 妻が急な用事で外出してドアが閉まった瞬間に、赤ん坊のほうは泣きわめきはじめる。 大きいほうは、今すぐセミ捕りに公園へ連れて行かなければ、お母さんに内緒で新しい靴下を買ったことをバラすと脅す。 たいしたことはない。 想定内だ。 大人をなめるな。 経験者なめるな。 僕は素早く哺乳瓶を手に取り、フォローアップミルクをお湯で溶かし、あらかじめ用意していた冷水を足して適温にする。 その一連の作業をしながら、大きいほうに対しては、セミ捕りに行きたいならば先に果たすべき義務を果たせと、おもちゃの片付けや衣服の整理などのタスクを列挙して行動させる。 完璧だ。 これが終わったら燃えるゴミの回収も先に済ませてしまおう。 帰宅後の用事が減って、楽だ。 余裕を取り戻した僕は赤ん坊にミルクを飲ませながら、明日の仕事に関わるアイ