はじめに ネーミングライツビジネスが国内で導入・浸透するようになり、既に導入実績は100件を優に超えるようになった。初めてネーミングライツが導入された東京スタジアム(味の素スタジアム)は2007年に契約更新し、旧契約とほぼ同じ契約条件のもと引き続き国内ネーミングライツ市場は成長とは言わずともある程度の相場観の形成が出来つつあるかに見えた。 しかし2009年度に入り景気がさらに後退するのに伴い、企業の広告宣伝費が大幅に削減され、ネーミングライツ市場も同様に冷え込みを見せるようになった。同様に、ネーミングライツの相場も従来と比べて大幅に下落した。相場の下落を示す例の1つが、既にネーミングライツを導入していた施設への再募集時の契約条件である。例えば、5年×4億7,500万円で2010年に契約を満了した横浜国際競技場(日産スタジアム)。募集活動を行ったものの、景気の後退などから募集状況は芳しくなく