後を絶たない、電車内などでの痴漢行為。加害者の心理には何が働いているのか。 大阪にあるカウンセリングオフィスAXIAの衣川竜也代表は、加害者をこう分析する。 「共通点は、ストレスを自覚しないほど抱え込む性格。またパートナーなど同年代以上の女性全般に対して『怖い』という感情を持つ傾向も強い。そのため、加害者自身が恐怖心を感じにくい女子高校生がターゲットになることも多い」 性犯罪者やその予備軍を専門的に治療する民間団体「性障害専門医療センター」(SOMEC)は、外来治療によって加害者と向き合っている。福井裕輝代表理事は性犯罪被害者のカウンセリングをしていく中で、「被害者の心を癒やすには加害者へのアプローチも必要」だと考えたのだ。 痴漢の加害者である会社員のタナカさん(男性、50)は「もし治るのであれば治したい」という思いでSOMECを訪ね、月2回のグループカウンセリングに1年間通った。