野球のビッグデータ化が急速に進んでいる。 これまでのデータ野球といえば日本ではスコアラーが収集してきた様々な情報を分析して対策を練り、作戦を立案するいわゆるID野球が主流だった。そこにメジャーから生まれた統計学的な解析によるセイバーメトリクスの考え方が加味され、新たなデータ野球の領域が広がったのはよく知られている。 ただ、ここ数年はさらにテクノロジーの発達によるビッグデータの利用が飛躍的に進行している。その主役を演じているのが、12球団が続々と導入しているトラックマンシステムである。 軍事用レーダーをMLBで導入、日本でも追随。 すでにご存知の方も多いと思うが、改めてトラックマンシステムとはどういうものかをざっと説明しておこう。 元々は迎撃ミサイル「パトリオット」の弾道解析のための軍事用レーダー装置から開発されたシステムだった。これを2003年にデンマークの「トラックマン社」が商品化。当初