問題の鍵を握る人物がようやく公の場に出てきたというのに、その説明は具体性も説得力も欠いていた。これでは到底、疑念の払拭(ふっしょく)はできない。 加計学園の獣医学部新設をめぐり、加計孝太郎理事長がきのう、学園本部のある岡山市で初めて記者会見に応じた。愛媛県の文書に記されていた2015年2月の安倍首相との面会を否定し、学園の事務局長が県に虚偽の事実を伝えていたという従来の説明を繰り返した。 県の文書には、学園が首相との面会の実現に腐心したり、面会を受けて首相秘書官から資料提出の指示を受けたりしたとの記述もある。単に面会の事実を否定するだけでは、つじつまが合わない。 面会の際に学園側が提供したとされる資料が、文部科学省内に残っていたことが最近判明した。一連の県の文書の信憑性(しんぴょうせい)を裏付けるものだ。加計氏が面会を否定する根拠が「記憶も記録もない」というだけでは、とても信用するわけには
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