■ 吉浦「自分の感性にとても近いものを感じる」 ――吉浦監督は、水上先生の漫画のファンだとお聞きしましたが。 吉浦: 実はファン歴はごく浅く、2017年に公開された『虚無をゆく』にハマってから短編集はほぼ全部、 『惑星のさみだれ』『スピリットサークル』などの長編も読ませて頂きました。 いつでも読めるよう電子書籍リーダーに入っています。 水上: ありがとうございます。嬉しいです。 ――吉浦監督は、水上先生の作品のどのような点がお好きですか? 吉浦: 先生ご本人を前にお恥ずかしいですが、大げさに言うと「自分の感性にとても近いものを感じる」と思える点です。 キャラクターの考え方や行動がひとつひとつ腑に落ちて、読んでいて気持ち良いのです。 特に『虚無をゆく』は全ての要素が大好きで、74ページというボリュームをウェブで読めたのも印象に残っています。 過度にウェットにならず、普通ならもっと散漫になる話