複数の気候要素間のつながりを調べる上で, 線型の基礎解析である 回帰, 相関係数などは最も頻繁に使われる手法ですから, 早いうちに 覚えておくと便利です. ここでは例として2変数で説明しますが, 多変数でも基本は同じです. 回帰(一次単回帰)係数 図1. 2変数間の線型モデル 従属変数yに対して引いた, 説明変数xによる一次曲線の傾きが回帰係数です. このとき, 直線のあてはめは任意に行うのではなく, yとy*(左図参照)の2乗和が最小になるように決めます(最小2乗法). 具体的には, 線型のモデル を考え, 観測されたyとモデルのy*の差の2乗和S のβに対する微分=0を満たすようにβ0, β1を決定します. (4.1.17)から, 回帰係数はxとyの共分散をxの分散で割ったもの, となります. また, 我々が解析で扱うのは多くの場合偏差ですから, 切片β0はゼロとなり 意味をもちません